決定版 小さな会社こそが勝ち続ける 孫子の兵法経営戦略
企業経営者で孫子の兵法の存在を知らない人はいないだろう。どこかで「孫子」や「兵法」という言葉は耳にしているだろうし、「彼を知り己を知らば・・・」という有名な一節くらいは聞いたことがあるはずだ。だが、この紀元前500年頃、中国春秋時代から伝わる珠玉の知恵を企業経営に役立て、実践に活かしている経営者は非常に少ないと思う。古典としての孫子を読み込んで、どんなことが書いてあるかを現代語訳して理解している人は案外いる。しかし、それでおしまい。2500年も前の話だから、ただ現代語訳しただけでは応用が利かない。単に教養として古典を学んでいるだけで終わっている。それでは非常にもったいない。
本書は、時代の変化を乗り越え、洋の東西を問わず、軍事だけでなくビジネスや組織運営においても高く評価されている孫子の兵法を現代の企業経営に当てはめ、実際に実践、応用するための実用書である。孫子を良く知っている人も、興味はあっても良く知らないという人も、是非読んでみてもらいたい。「なるほど、孫子をこう解釈したら企業経営に活かせるのか!」という気付き満載、目から鱗の連続となること間違いなし。孫子13篇の中から、企業経営に活かせる重要ポイントを厳選して69項目抜き出し、分かりやすく解説している。本書を読んで孫子に興味を持ったり、本格的に学んでみようと思ったら、世にはたくさんの古典「孫子」の解説本があるからそちらを読んでもらいたい。あくまでも本書は孫子の兵法を企業経営に活かすための本である。
著者は、孫子の兵法を現代のビジネスに適用し経営指南する孫子兵法家、長尾一洋。何を隠そう私だ。自画自賛も甚だしい、と思う人もいるだろうが、文句は読んでから言って欲しい。絶対の自信があるから自画自賛しているし、本書を世に出している。もちろん、私だけの力ではない。元の孫子にそれだけの力があり、価値があるから企業経営にも役立つわけだ。私はその解釈、実践・応用の補助をしているに過ぎないのでご安心を。是非、読んでみていただきたい。