読む・聞く、まとめる、言葉にする
本の要約サービス「flier」のコンテンツDivゼネラルマネージャーであり、日本インタビュアー協会の認定インタビュアーでもある著者の、読んで、聞いて、それを要約する技術や考え方が詰まった一冊。まさに要約のプロ中のプロと言っても良い人の実体験の生々しさがにじみ出る内容になっていて、言葉を扱う知的作業に従事する人は是非とも読んでおくべき本である。
「要するに、一言で言うとどうなの?」と問われて、的確にパッと返答する力のある人こそ、本質を理解できる本当に頭のいい人だと思う。要するに、要約力である。その要約を売っている「flier」は頭のいい人の集まりだ。実は、「flier」の社長さんをはじめ、本書の著者の松尾さんなど数名の方にお会いしたことがある。というか、拙著の要約もしてもらったし、インタビューを受けたこともある。本書に書かれた技術を使われた経験もあるので、余計に本書の内容を生々しく感じたのかもしれない。「flier」の人たちはどなたも優秀な人ばかりだった。学歴ももちろん高いのだが(著者の松尾さんは京都大学文学部卒)、学校の勉強ができる優秀さだけでなく賢さを感じる人たちなのだ。そんな「flier」の手の内を一部でも知ることができる本書はとても価値があると思う。
個人的には、メモを取る際に「インプットメモ」と「アウトプットメモ」を使い分けるという点が非常に参考になった。「なるほど、確かに」と思わず納得。早速使って行きたいと思う。おすすめです。