7つの激変
LINEヤフーの前会長によるインターネットビジネス回顧録。サブタイトルは「いかがわしい者たちが主役のインターネット産業30年史」。あまり詳しく存じ上げなかったのだが、著者は1974年生まれで青学大在学中の1995年に電脳隊という会社を立ち上げた起業家だったらしい。てっきりソフトバンク傘下の雇われ経営者かと思っていた。
7つの激変として、インターネットにまつわる「検索」「SNS」「動画」「通販」「広告」「文化」「起業」の7つのテーマで30年間に起こった創造、変化、変遷を業界の中心にいたからこそ知り得る裏話も交えて教えてくれる。
私は著者よりも9つ上だが、同時期にITやインターネットに関わるビジネスをして来たので、「そうそう」「あったあった」「たしかに」と同意、共感しつつ振り返りが出来て楽しかった。ネットのビジネスモデルを再考するのにも役立つと思う。
しかし、一番面白かったのは、本編が終わった後の「おわりに」。最後に、これまでの内容はすべて忘れろと説く。アンインストールせよ、アンラーンせよと。すでに30年も経過したインターネットビジネスは既存産業となり既得権益となっていて、これから始まるAIビジネスには足かせになると言う。たしかにそうだ。面白い。
著者はすべての公職を投げ打って、一人でAIをフル活用したソロプレナーになると宣言している。「いかがわしい」人間でなければ新しい時代は築けないと。「いかがわしい」オジサンになるようだ。これまた面白い。「いかがわしい」学生起業家だったのに、ヤフーと合併して大企業のエスタブリッシュメントになってしまった著者の後悔と不完全燃焼感が50歳を過ぎたオジサン起業の燃料になっているようだ。60を過ぎた私もガソリンを満タンにしてさらにアクセルを踏み込みたくなった。良書。











