代表長尾が語るおすすめBOOKS

弊社代表の長尾が読んだ書籍の中から
特に皆様におすすめのものを厳選してご紹介するページです。
自己啓発や社内教育の参考にしてください。

おすすめBOOKS 2024年版

シン・日本の経営 悲観バイアスを排す

 カリフォルニア大学サンディエゴ校グローバル政策・戦略大学院教授による日本企業論。冒頭から「1990年代から2010年代は『失われた時代』ではない。」「遅いのは停滞ではない。」「日本企業は世間で言われるよりもはるかに強い。」といった主張が並び、日本人としては悪くない気分になれる。
 読み進むと「俊敏で多彩な技を繰り出した舞の海のような戦略をとれ」といった話が出て来て、遅くても良いのか俊敏でなければならないのか、どっちなんだ!?と突っ込みたくなり、日本企業が強い理由は「ジャパン・インサイド」という重要部品や生産機械を日本企業が押さえているからだと言われると、結局、舞の海みたいに小技でしか勝負できなくなっているということでは?とまた突っ込みたくもなる。今や日本を代表するSONYですら最終製品では目立ったヒットはなく、部品勝負となっているような有り様だから、あまり日本企業を持ち上げられても素直には喜べない。
 本書の意義は、ドイツ人の米大学教授が、グローバルスタンダードと言われるような欧米の勝手なルールやシリコンバレーのような文化も違う特殊な環境の真似をするべきではないと指摘していることだろう。何でも米国流が良く、欧米に倣え、日本は遅れていると考える「悲観バイアス」は確かに排すべきである。
 ウリケ・シェーデさんには是非「ジャパン・インサイド」ではなく「ジャパン・ブランド」でしっかり稼ぐ日本企業が増えるように指導してもらいたい。私個人としてはSONYにCMOSセンサーなどの部品ではなく最終製品で頑張ってもらいたい。直近ではXperiaをもうちょっと小さくて洒落たものにしてもらいたいな・・・。
 欧米礼賛、日本はダメだと思っている人には必読の書。しかし、対象はすべて上場企業なので、中小企業にはそんなこと関係ないと思うような人にはつまらない一冊でしょう。

著 者:ウリケ・シェーデ

出 版:日経BP 日本経済新聞出版

金 額:1200円


シン・日本の経営 悲観バイアスを排す

売上増の無限ループを実現する 営業DX

 デジタル人材がいない中小企業は、営業DXを起点に全社のDXへと広げ、ビジネスモデルを変え戦略も変えていくべきだと説く一冊。多くのDX本には、先にデジタル活用した自社の将来ビジョンを示して、それに向けてDXを進めるべきだなどと理想論が書かれているが、そんなのは企業の実態を知らないIT系の人が考えることであって、まともな経営コンサルタントなら(大手企業に自分のDXコンサルティングを売り込もうとしている人を除いて)そんな提言はしないはずだ。
 大手企業の経営者であっても、そのほとんどは最新のデジタル技術を理解しているわけではないし、5年後10年後の技術動向など把握していないだろうから、デジタル活用した将来ビジョンをそう簡単に描けるわけがない。結局、高い金を払ってどこかのコンサルに頼むことになる。だが、中小企業はそんなコンサル費用など出せないだろう。理想論など捨てて現実的に取り組むべきである。
 それが、顧客増、売上増に直結する営業DXから取り組むべき理由である。マーケットに直結したところからデジタル化するから、業績を上げつつ経理や物流、仕入や製造など他の領域のDXにつなげていくことができる。中小企業の社内業務のコストなど絶対額として大したことがないから、業務効率を上げたりスピードを上げる取り組みでは効果に限界がある。それよりも顧客を増やし、取引件数を増やすことで、一件当たりの限界費用をゼロに近づける努力をするべきなのだ。
 そして、営業DXを進めるとモノ売りからコト売り、すなわちサービス化が進むことを本書では示している。これこそがビジネスモデル変革であり、それがあってこそ戦略の見直しが行われ、それによって将来のビジョンも変わってくる。
 企業の実態が分かっている素晴らしいDX本だなと思ったら、著者はなんと、私。前著「デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門」から一歩進んだアドバンス編だと考えてもらうと良いと思う。前著は、まずデジタルのイロハを知ってもらい、デジタルの力を体感してもらうことを優先したが、本書は実際に会社を変えていく、まさにトランスフォーメーションのための内容になっている。もちろん、おすすめです。

著 者:長尾一洋

出 版:KADOKAWA

金 額:1500円


売上増の無限ループを実現する 営業DX

戦略の要諦

 世の中には、経営戦略があると言いながらも、まったくもって戦略的ではなく、ただ単にキャッチフレーズのようなものであったり、方針を示しているに過ぎなかったり、実現したい経営指標を掲げているだけであったりする、似非経営戦略が多い。この事実を、「戦略論と経営理論の世界的権威」、「戦略の大家」と言われるリチャード・ルメルトが指摘してくれた一冊。2012年に出た「良い戦略、悪い戦略」(日経BP)での主張と大きくは変わっていないように思うが、「10年も前から指摘しているのに相変わらず分かってねぇな・・・」とでも言いたげな内容になっている。
 本書では、流行りのミッションやパーパスは無意味であるとまで言い切っている。そんな上っ面な綺麗事を並べても戦略になんかならないよというわけだ。私は、ミッションやパーパスが無意味とも思わないし、それなりに意義があると思うが、それと戦略はまったく別モノであって、世の流れに迎合するようなキャッチフレーズを掲げてそれを戦略であるかのように誤解している会社が中小だけでなく大企業であっても多いことは間違いないと思う。
 本書の要諦は、「企業経営における戦略的有効性とは、あなたの会社にだけ生み出すことのできるユニークバリューを創出し、かつ、その生み出した価値を競争相手による浸食や模倣から守ることに尽きる。」という指摘に尽きると思う。
 中身は面白いし参考になるが、冗長で図表なども少なくて整理されていないので、戦略構築ノウハウとして活用するのは難しい本だと思う。しかし、企業経営者には頑張って読んで欲しい。経営コンサルタントは必読。経営コンサルタントはちゃんと戦略的な戦略を指導すべし。

著 者:リチャード・P・ルメルト

出 版:日本経済新聞出版

金 額:2200円


戦略の要諦

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