コスト削減で元気が出るか
東大を出て建築家となり、そこからマッキンゼーに転じてコンサルタントとなり、現在は外資系金融機関の日本代表を務めるという変わった経歴の著者が書いた日本企業に喝を入れる一冊。後ろ向きな経営改革ばかりでなく、もっと破天荒な(オリジナルな)自らの仕事を楽しむような創造性を発揮できる経営をするべきであると説く。確かに、今の日本には生活のため、家族のため、給料を稼ぐため、と言いながら、イヤイヤ義務感で仕事をしている人が多いように思う。どうせ仕事をするなら、もっと前向きに楽しんでみてはどうだろうか。どうせ苦労するなら、その苦労を楽しむ心の余裕を持ってはどうだろうか。たとえ生活のために仕方のない仕事であっても、それが給料という成果を生むものである以上、何らの価値を世の中に創出しているはずである。その使命感を持って仕事に取り組むことが求められているのではないだろうか。分かりやすくて、前向きな気分にさせてくれる良著。