日本人の成功法則
1964年生まれの神田氏と1930年生まれの渡部先生の対談本。父子のような年齢差、マーケッターと英文学者という立場の違いを、上智大学の同窓ということで結び付けた異色対談と言えるだろう。企画としては面白いし、読んでいても微妙に意見が違うところがあったりして、読者としては興味深く読めるが、果たして渡部先生は神田氏の主張をすべて良しとしているのか、この対談に納得しているのか、と気になってしまう。気になるところはあるけれども、80代に入られた渡部先生と40代の神田氏の世代の異なる視点から日本とは、日本人とは、成功とは、成功法則とは、と考えてみると、こちらの思考も深まっていいように思う。やっぱり年齢がモノを言うということがあるんだなぁ~。神田氏が人生について語ると「まだ40代なのに、何が分かるのか」と感じるところがあるが、渡部先生が語ると「まぁそうかもな」と納得したりする。神田氏と私は同年代だから、やっぱりまだ偉そうなことを言ってはいけないな、と変なところで参考になった。
何を成功と呼ぶのかは人によって違うが、本書では、知的生活を楽しめるような思考力や経済力を身に付けることをイメージしていると思えばいいだろう。やはり小手先のテクニックで成功を勝ち取ろうということは無理なんだなと分からせてくれる。是非若い人に読んで欲しいと思う。いきなり渡部先生の本を読むのはちょっと難しいかなという人には神田氏の分かりやすさがMIXされた本書はおすすめである。