代表長尾が語るおすすめBOOKS

弊社代表の長尾が読んだ書籍の中から
特に皆様におすすめのものを厳選してご紹介するページです。
自己啓発や社内教育の参考にしてください。

おすすめBOOKS 2016年版

なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか

 PwCの戦略コンサルタントによる戦略実行のための処方箋。原題は「STRATEGY THAT WORKS:How Winning Companies Close the Strategy-to-Execution Gap」。要するに戦略と実行のギャップを埋めてどう戦略を機能させるかという感じか。せっかく良い戦略を考えても実行できない企業が多いぜと戦略コンサルタントが言い訳をしているようにも思えるが、たしかにそういう企業も少なくないので、本書を参考にして実行力を高めよう。
 本書でしきりに出てくる用語が、ケイパビリティとコヒーレンス(一貫性)。戦略と実行を結び付けるものが、ケイパビリティであり、それが一貫性を持って保たれているかどうかがコヒーレンスということのようだ。「特徴あるケイパビリティとは、自社が得意なもので、顧客が価値を認め、ライバルが太刀打ちできないものを表す。」とあるので、そもそも自社のケイパビリティを活かす戦略を立てれば、実行できない戦略とはならないわけだから問題ないのではないかとも思ったりする。
 本書では違うものだと述べているが、ケイパビリティとはコア・コンピタンスと同じようなものではないかと思う。まさに「自社が得意なもので、顧客が価値を認め、ライバルが太刀打ちできないもの」を戦略のコアとする考え方であり、実行出来もしない綺麗な戦略など、いくら綺麗にまとまっていても良い戦略とは呼べないから、何を良い戦略と考えるかという点から掘り下げてみてはどうかな。とまぁ、どうしてもコンサルタントが書いた本にはケチをつけたくなるが、なかなかよくまとまった本である。

著 者:ポール・レインワンド+チェザレ・メイナルディ

出 版:ダイヤモンド社

金 額:2000円




生産性

 元マッキンゼーの人事マネジャーが、組織と人材の生産性を上げるにはどうするかを紹介した本。世間では労働時間を短くすべきだと主張する空気が支配的だが、そのためには生産性を上げなければならないよという至極真っ当な指摘が本書の主旨。マッキンゼーに勤める優秀な人材であっても生産性を上げるために手を打っているわけだから、一般の会社でも取り組むべきなのは間違いない。本書で紹介されている内容は、マッキンゼーだからできるんでしょというような難しいことではなく、普通の会社でも取り組めるものだと思う。
 経営層や人事関係の人向けに書かれた本だろうが、一般のビジネスマンが読んでみることをおすすめしたい。まず自分の生産性を上げることが必要だ。そうでなければ時間短縮で早く帰らされても持ち帰り残業をするだけになる。会社や上司が自分を育てて生産性を上げてくれるのを待っているような人は残業がなくなるどころか仕事自体がなくなることを心配するような羽目に陥るだろう。
 人口減少から逃れられない日本で、休みを増やせ、長時間労働をなくせと叫ぶばかりでは何も解決しないということを改めて確認できる一冊。

著 者:伊賀泰代

出 版:ダイヤモンド社

金 額:1600円




ハードワーク

 ワールドカップでの勝利で日本中を熱くした、ラグビー元日本代表ヘッドコーチによる、リーダー論、仕事論。身体的に劣る日本代表を歴史的勝利に導いた実績があるだけに、説得力のある内容だ。持っているリソースが劣っているのに、人並みなことをするだけでは勝てないのは当たり前のことだ。本書でも指摘しているように日本人は「普通」を目指すことが多い。普通でいいならもちろんハードワークなど必要ないわけだが、人並み以上、それも一流を目指すとなったらハードワークは当然だろう。
 本書で言うハードワークとは、ただ長時間頑張るというものではない。向上心を持った心身両面の努力を指す。義務感で嫌々やるようなハードワークでは意味がないわけだ。部下や後輩にハードワークを要求することにビビッてしまっている多くの経営者、マネージャー、リーダーには必読の書。あの五郎丸選手についても手厳しく書かれているところに著者の信念が感じられる。部下や後輩に直接言いにくい場合は、本書を勧めてみると良いかもしれない。良著。

著 者:エディー・ジョーンズ

出 版:講談社

金 額:1400円




経営とデザインの幸せな関係

 奈良で享保元年(1716年)から麻の織物を手掛け、今や全国に直営店を展開し、「日本の工芸を元気にする!」というコンサルティングも行っている、中川政七商店第13代当主が書いた自社ブランド構築ノウハウ本。
 デザインやブランディングが中心だが、財務から原価管理、経営計画にも言及しており、中小製造業、卸売業で自社ブランド商品を作りたい、もっと売りたいと考えている会社は是非読んでみるといいだろう。実際に著者が指導した事例があり、何に取り組めば良いか分かりやすく書いてある。原価や売価の設定がいい加減な会社も多いし、ろくに販売計画も立てずに新商品の投入をするようなことも少なくないから、参考になるだろう。
 私はデザインは、人・物・金・情報に次ぐ第5の経営資源であると考えているし、デザイナーは、経営顧問、税務顧問、法律顧問、労務顧問に次ぐ第5の顧問にすべきであると訴えている。だが、デザインを大切にしたいと考える経営者は多いが、なかなかデザイナーさんとのマッチングが難しくうまくいかなかったりするので、デザイナーの選定や付き合い方なども本書を参考にすると良いだろう。

著 者:中川 淳

出 版:日経BP社

金 額:1600円




天地雷動

 戦国最強と言われた甲斐武田軍と織田・徳川の連合軍との決戦、長篠の合戦を中心に、武田勝頼、徳川家康、羽柴秀吉らの視点で、信玄が亡くなってからの経緯を描く歴史小説。孫子の「人を致して人に致されず」というフレーズが何度も出てくるが、孫子の兵法がいかに大切かを学ぶ良い教材である。鉄砲の玉薬を押さえられ、戦うしかない状況に追い込まれる勝頼は、まさに太平洋戦争で石油を止められた日本のようだ。他にも、「勝ってから戦う」「戦わずして勝つ」「勝ち易きに勝つ」「彼を知り己を知る」ことの大事さも学べるだろう。
 私は、長篠の合戦から、鉄砲という新しい武器を、ただ導入するだけでなく、どう運用し、活用すべきかを考えた信長の思考を学ぶべきだと訴えているが、本書によると秀吉の智恵も加えられているという。この辺りは、現在のITやAⅠを導入するだけでなく、どう活用するべきかという話に置き換えて読むと、これまた参考になるはずだ。
 これだけの学びと小説としての面白さを文庫だから800円で手に入れることができる。これはおすすめだ。

著 者:伊東 潤

出 版:角川文庫

金 額:800円




ジャック・ウェルチのリアルライフMBA

 あのジャック・ウェルチが奥さんと書いた経営論。世紀の経営者と呼ばれた著者がGEでの経験だけでなく、その後のキャリアでも得た実務ノウハウを元にして戦略からリーダーシップ、人事、財務など経営全般について語っている。テーマが広すぎて散漫になったかなという面と、途中、主語がジャックなのかスージーなのかごちゃごちゃして分かりにくいところがあるが、さすがにジャック・ウェルチの言葉には説得力がある。大学で教える現実離れしたMBA理論ではなく、現実論としてのリアルライフMBAということで、このタイトルがついているのだろう。
 たとえば人事に関する提言で、従業員の解雇などの内容もあり、言いたいことは分かるが、米国ではそうでも日本ではそうはいかないよ・・・といったものもある。だが、マーケティングに関する指摘でAmazonに気を付けろと名指しで取り上げている点や、ワーク・ライフ・バランスではなくワーク・ライフの選択であるといった指摘はなかなか面白かった。やっぱりジャックもそう思うよね・・・。経営者、経営幹部は読んでみるといいだろう。

著 者:ジャック・ウェルチ+スージー・ウェルチ

出 版:日本経済新聞出版社

金 額:1800円




ザ・会社改造

 340人の会社をグローバル展開させて1万人企業へと改造した、ミスミの元CEOが書いた企業経営ドキュメント。多少デフォルメしてあるということだが、実名で登場する著者が経営者として考えたこと、感じたことを披露してくれている。経営者としての疑似体験をしたい人には良い本だろう。
 上場しているとはいえ、数百名規模では必要な人材が社内にいないことも多いだろう。そうした中でどう人を育て、選抜し、成果を出させていくのかといった辺りは、中堅中小企業でも参考になる点が少なくないはずだ。そして会社を変えようと思ったら、どうしても変化そのものを嫌う抵抗勢力が出てくるし、離反、離脱もあったそうだ。ソフトな表現になっているが、人材面の苦労にも触れていて共感できる。建設的な反対意見なら議論すればいいが、裏でコソコソ誹謗中傷して足を引っ張るようなのが一番迷惑だ。こうした点でも経営者の疑似体験ができる内容になっている。
 理屈だけの頭でっかちと言われることの多いコンサルタントが、実際に実業をやり切って成果を出したというのは素晴らしいし、コンサルタントだけに単なる体験談ではなく、取り組んだことを裏打ちする理屈が整理できていて参考にもしやすいだろう。

著 者:三枝 匡

出 版:日本経済新聞出版社

金 額:1800円




象の墓場

 アナログからデジタルへの時代の変化が銀塩フィルムの雄、コダックをも淘汰してしまうという、生きた業態変革事例を学べる一冊。小説ではあるが、作者がそのコダックに勤めていた人だけにリアリティがあり、イノベーションによって業界が消滅してしまう中で、どう動くべきなのか、何が障壁になるのかを疑似体験できる。そんな価値ある事例が文庫化されて880円で手に入る。企業経営者、事業戦略立案者は読まないわけにはいかないだろう。
 物語は1992年から始まり、2004年で終わる。実際の世界では2012年にコダックが破綻している。超巨大エクセレントカンパニーもイノベーションの波には抗えず、20年ほどで消滅してしまう。ちょうど私も、この時期にアナログからデジタルへ、スタンドアローンからネットへ、所有から利用へ、マックからWindowsへ、PCからスマートデバイスへ、といった数多くの変化に遭遇して来たから、読んでいて「あぁ、そうだったな」「そうなんだよ」と共感することしきり。そして、改めて、ビジネスモデル変革、ドメインチェンジの難しさを痛感した。分かっていてもできない。危機感があってもズルズルと先延ばししてしまう。。。。
 生々しい事例を紹介してくれて、いろいろな学びのあるビジネス小説である。

著 者:楡 周平

出 版:光文社文庫

金 額:880円




オラクル流コンサルティング

 データベースで有名なオラクルの「コンサルティング研修」の中身が公開されたという一冊。著者は、その研修の開発者だ。「オラクルがコンサルティング?」と思ったが、システム導入に合わせて経営改善を行うという点で、コンサルティングであることは間違いないし、今どきのコンサルティングでは、システム利用までの落とし込みが必須とも言えるので、両者の融合は当然の流れだ。実際、私共NIコンサルティングでもシステム導入と経営コンサルティングを渾然一体のものとして捉えているし、システムとコンサルティングの融合は経営を変えるためにとても有効なものだと確信している。
 とはいえ、オラクルの人が書いた本だし、コンサルティングと言ってもシステムコンサルに寄った内容だろうと思っていたが、これがなかなか「よく分かっているね」というものだった。コンサルタントの心構えに始まり、クライアント企業の困った人への対処法まで、実務を重ねて来た人にしか書けない内容が開陳されている。コンサルタントやIT系の営業をしている人は是非読んでみるといいだろう。
 ただ、ちょっと訳が悪いのか、編集が手抜きなのか、ワープロの誤変換並の誤植が多くて残念な本でもあった。著者が悪いわけではないが。

著 者:キム・ミラー

出 版:日本実業出版社

金 額:1600円




まんがでできる 営業の見える化

 見えないことには改善できない。特に社外で、単独で、行われることの多い営業はブラックボックスになりやすい。その営業が見えれば、顧客が見え、顧客が見えれば、マーケットが見える。マーケットが見えれば業績も上がる。その一連の流れ、仕組みを作るのが本書で訴える「営業の見える化」だ。それをマンガのストーリーに落とし込んで分かりやすく説明してくれている本。これは読むしかない。すぐに読めるし、マンガも楽しい。
 お気付きと思うが、本書は私の本なので(漫画は描いてないが)、面白くて参考になり、おすすめなのは当然なのだが、騙されたと思って読んでみて欲しい。1時間もあれば余裕で読めて、業績アップのヒントがいくつも得られることは間違いない。出張のお供に是非。東京から名古屋の間で読めて、名古屋から京都・大阪の間で感想文まで書けるだろう。逆の上りは言いにくいが・・・。富士山辺りで泣けるはずだ。
 これもお気付きと思うが、本書はKADOKAWAから出ている「営業の見える化」をベースにしたビジネスコミックだ。「営業の見える化」は私の「見える化」シリーズの中で一番売れた本だが、本書はマンガだからもっと売れるだろう。お陰様で、発売即重版決定!! 営業改革、営業の見える化に取り組もうとして失敗してしまったような会社・人には必読。おすすめです。

著 者:長尾一洋

出 版:あさ出版

金 額:1200円




なぜ、あなたの仕事は終わらないのか

 Windows95、98、右クリックなどを生み出したマイクロソフト伝説のプログラマーによる時間活用術の本。マイクロソフトの中で日本人が重要な役割を果たしていたと思うと嬉しくなる。著者は高校時代から「週刊アスキー」で記事を書いたりプログラム開発をしていたそうで、普通の人とは違う。その普通の人とは違う理由が本書で紹介するロケットスタート時間術にあると言う。
 職種によって仕事の仕方も違うので、すべての人がロケットスタートでうまく行くわけではないだろうが、仕事の全体像を初期につかんで、プロトタイピングで目に見える形にするというのは、すべての仕事で有効な考え方だろう。それができてしまえば、あとは歩きながらでも頭の中で仕事が進められる。
 面白かったのは、最終章の人生論だ。無理して集中しなくてもいいような好きな仕事をやれと言う。それができたら苦労しないと反論する人もいるだろうが、一流の仕事をしたいと思えばとても大切なことだと思う。人から言われてやっているようではどんな分野でも大したことはできないだろう。
 知的労働をしている人にはおすすめの一冊。特に、時間ばっかりかかって大した成果を生み出せていない人は読んでみるといいだろう。

著 者:中島 聡

出 版:文響社

金 額:1380円




敗者烈伝

 古代から明治にかけての日本史上における敗者から学ぼうという本。平清盛、今川義元、織田信長、西郷隆盛など、一時は隆盛を極めつつも最後は敗れ去った人物が取り上げられていて、その転落ぶりも興味深い。その数25名。その敗因を学び、自らを振り返るために有効な一冊だ。これでもかこれでもかと敗者が出てきて、反省することや参考になることが山積みになる。但し、敗者ばかりが出てくるから、スカッと前向きにはなりづらいかもしれない。自省のための本。
 著者は、歴史小説家であり本書の内容も緻密な取材や豊富な文献探索に裏付けられているようだ。もちろん文章も読みやすい。実は、以前ITのコンサルタントをしていた方でお会いしたことがある。その後、気付いた時には人気作家になられていた・・・。
 油断や慢心、驕りや傲慢さから失敗する人が多いようなので、心当たりのある人は読んでみると良いだろう。心当たりのない人の方が危なかったりするから、そういう人も読んでみよう。反省させられることが多いが、歴史に名を残すほどの人でもこういう弱点があり失敗をしたのだと思えば勇気も湧いてくる。おすすめです。

著 者:伊東 潤

出 版:実業之日本社

金 額:1600円




マンガでわかる!孫子式 戦略思考

 なんでもマンガにすればいいってもんじゃないぞ!と言いたくなるほど書店のビジネス書コーナーにはビジネスコミックがたくさん並んでいる。そもそもマンガのコミック単行本があり、さらにビジネスコミック。それだけマンガに力がある。普通の本では大して売れないが、マンガになると売れる。TVドラマや映画もマンガ原作というものが多い。であれば、マンガの力をうまく活用した方が良い。本書は孫子の兵法を現代のビジネスに当てはめ、戦略立案や実行のフレームワークを紹介したもの。ブルー・オーシャン戦略やBSCなど、それだけで本が何冊も書けるテーマが孫子と一緒になってマンガでわかる!のだからお得だ。
 著者は、私、孫子兵法家・長尾一洋。だから参考になるに決まっているが、孫子をマンガで紹介するのは、「まんがで身につく孫子の兵法」(あさ出版)に続いて2冊目だ。新たな切り口で孫子のビジネス応用をお伝えできたのではないかと思う。作画は石野人衣さん、シナリオは星井博文さんだから、私では思いつかないマンガらしいストーリー展開で楽しめる。普段、孫子など古典を敬遠しがちな人がマンガで興味を持ってくれると嬉しい。おすすめです。

著 者:長尾一洋

出 版:宝島社

金 額:1200円




ザ・マネジメント

 小説で学ぶ営業改革。主人公が大手ITメーカーから50名規模の事務機器販売会社の営業部長として出向し、営業を変え会社を変えていくストーリー。著者は、元リコーの販売力強化センター長。さすがにストーリーにリアリティがある。実践を積み重ねて来たからこそ書ける営業改革ヒントが満載。
 SFAの活用なども出てきて、まるで弊社(NIコンサルティング)のために書いてくれたのではないかと思うほどだ。実際、実例として弊社のクライアントが実名で登場したりしてビックリした。それが理由でおすすめしているわけではないが、ITツールの前に営業のあるべき姿や経営姿勢をどうすべきかを考える必要があることを本書からも学んで欲しい。
 多くの企業で営業部門は未だに属人化してブラックボックスになったままだ。これだけコンプライアンスだ、不正だ、隠蔽だ、虚偽報告だ、と騒がれる時代なのに、営業マンにだけ隠蔽や虚偽報告が許されるわけがない。ITツールがあるから導入するのではなく、営業のあり方を変えなければならないからITを活用するのだということを理解するために是非読んでもらいたい一冊。

著 者:杉山大二郎

出 版:幻冬舎

金 額:1400円




KISSジーン・シモンズのミー・インク

 あのロックバンド、KISSのジーン・シモンズによるビジネス指南書。ME,inc.ジブン株式会社のオーナーになれというメッセージ。「はじめに」に「孫子の兵法のファンだから13カ条でまとめた」と書いてある時点でおすすめだ。こんなところにも孫子の兵法ファンがいた。孫子の兵法恐るべし。
 ところで、ジーン・シモンズはユダヤ人移民で最初は英語も喋れなかったという。そこから英語を学び、バンドを作り、ビジネスを拡げた。自分をブランド化して行ったのだ。ミュージシャンが書いた本だからと侮るなかれ。なかなかするどい指摘が多い。苦労人だけにシビアな話も多い。
 その昔、70~80年代KISSの曲を聴いていたこともあったが、どうしても派手なメイクや演出に目がいってしまい、あまり好きにはなれなかったのだが、こうして裏事情、裏話を知ってみると「なるほど」と納得できることも多かった。
 そして何より、ME,inc.(本書では「一人会社」という訳だが私としては「ジブン株式会社」と言いたい)という提言がこれからの時代には必要だと思う。個々の力が問われ、それがブランドにもなる時代。ロック界のスター、ジーン・シモンズから学んでみるのもいいだろう。

著 者:ジーン・シモンズ

出 版:日経BP社

金 額:1800円




「0から1」の発想術

 大前研一氏による、無から有を生むための発想ノウハウ本。小学館から出ているので、週刊ポストか何かの連載記事をまとめた本かなと思いながら読んでみたが、そのような記述はないので、書き下ろしなのか・・・。その辺りは不明だが、基礎編として11の発想法が紹介され、実践編として4つの活用法が紹介されている。さすが大前さんの本だけに読みやすいし、参考になることも多いが、どこかで聞いたことがある、もしくは読んだことがあるかなというネタが多いような気がする。逆に言えば、そんなに難しいことが書いてあるわけではないので、企業のビジョンや戦略を考えても、なかなかいい案が思い浮かばないというような人は是非読んでみると良いだろう。
 実際、企業経営者でも発想が凝り固まって、戦略的に考えられない人が多い。どうしても同業他社との比較で考えてしまう。本書でも指摘があるようにライバル比較をしていてもダメなのだ。また、固定費や限界利益の考え方も重要だ。これも分かっていない経営者が少なくない。分かっている人には当たり前の単純なことなのだが、固定費と限界利益から戦略立案する発想に是非チャレンジしてみて欲しい。

著 者:大前研一

出 版:小学館

金 額:1400円




『キングダム』で学ぶ 乱世のリーダーシップ

 ヤングジャンプに連載中の大人気漫画「キングダム」の連載10周年を記念して発刊された、「キングダム」の登場人物を題材としたリーダーシップ論。「キングダム」のシーンを思い出し、読み返しながら読み込むことで臨場感が増し、感情移入もしやすくなって、リーダーとしての疑似体験が深まる。該当箇所のコミック巻数とページ数が表記されているので、コミックを傍らに置いて本書を読むと良い。
 著者は、孫子兵法家、長尾一洋。私だ。私のリーダーシップ論が見事に「キングダム」上で表現されていたという嬉しいような悲しいような話なのだが、私が書いているだけに面白く、ためになるのは当然だ。是非お読みいただきたい。
 できれば、本書を読んで、漫画「キングダム」に興味を持ち、普段は漫画は読まないという人が「キングダム」を読んでみる、という流れにできると嬉しい。コミック単行本が50万部売れるという大人気漫画だけに、読めば引き込まれるはずだ。リーダーには経験値、実体験が重要だが、それを補うためには疑似体験を加速させる必要がある。それには普通の書籍よりも漫画である。本書自体は漫画ではないが、本書を読んで漫画を読むことで、より深い漫画の読み方、疑似体験ができる。後継者や次世代リーダーを目指す方におすすめです。

著 者:長尾一洋 集英社 1200円

出 版:集英社

金 額:1200円




営業リーダーは「仕事」をするな

 つい「自分がやった方が早い」「自分で数字を作る」と言い捨て、部下育成を後回しにして目先の数字だけを追いかけてしまう営業マネージャーがいる。営業担当者時代によく売っていた人ほどそうなりやすい。だがそれでは、結局は一人力。よくやって1.5倍か2倍程度で終わってしまう。そうした警鐘を鳴らすのが本書である。
 仕事をするな!とは大袈裟だが、営業リーダー、営業マネージャーにありがちな失敗を分かりやすく解説。分かっているけど、ついつい、という反省があるはずだ。
 著者は、NIコンサルティングの世古誠。さすがNI。NIだから書けた営業マネジメントのヒント満載。是非お読みください。

著 者:世古 誠

出 版:あさ出版

金 額:1400円




スピード仕事術

 ニューズウィークの「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれ、デザイン界のアカデミー賞と言われる「エル・デコ インターナショナル デザイン アワード」の「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し・・・と海外でも高く評価されているデザイナー、佐藤オオキ氏の仕事論。
 400のプロジェクトを同時に進めるほどのスピードがキーワードなのだが、それはどうにも納得できなかった。400も抱えていたら、どれだけスピードが速くても質の低下は避けられないだろうし、400が同時並行で動いているわけではないだろうから、実際はもう少し現実的な進め方をしている気がする。
 それよりもデザイナーという枠をはみ出した仕事ぶりの方がポイントのように感じた。デザインという武器を持った商品企画コンサルタントであり、事業企画プロデューサーと言った方が良いのだろう。その答えは「おわりに」にあった。氏が代表を務めるネンドは、大学の仲間6人で作った会社であり、大学院を修了してすぐに創業したもので、他事務所でのデザイナー修業も実績もなし。すべてが手探り・・・。これが「デザインの仕事はここまで」「デザイナーはこうやって仕事をするもの」という既成概念に囚われなかった要因だと思う。
 仕事の選び方や相手の期待を越える考え方など、参考になる点は多い。

著 者:佐藤オオキ

出 版:幻冬舎

金 額:1200円




天才

 あの石原慎太郎が、あの田中角栄を主人公とした一人称の小説を書いたと言う。ならば読んでみないわけにはいかない。混迷する時代が強いリーダーを求めている。著者、石原慎太郎も強いリーダーであろうし、さらに田中角栄はその上を行く強いリーダーだろう。もっと金権政治のドロドロとした裏の部分が炙り出されるのかと思ったが、そうではなかった。主人公を批判したはずの著者が、主人公へのリスペクトと愛を凝縮させた一人語り。「長い後書き」が二人の関係性を解き明かし、田中角栄の器の深さ大きさを改めて読者に示す。リーダーが示したビジョンによって国や企業、組織は形作られていく。田中角栄はそれを体現した稀有な存在だったということだろう。
 また、米国と日本、中国との関係性を考える上でのヒントにもなるだろう。もはや日本だけのことを考えていては政治はもとよりビジネスも語れない。上っ面の甘い話だけを信じていては足許をすくわれることになる。国と国は戦闘していなくても常に国益を巡って戦っている。日米中の関係も大きく変動しそうな今、石原慎太郎と田中角栄に触れてみるのも良いだろう。

著 者:石原慎太郎

出 版:幻冬舎

金 額:1400円




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