会社と仕事を変えるデザインのしかけ
MBAを持つデザイナーが書いたデザインを経営に活かすための本。私は、デザインを人、モノ、金、情報に次ぐ「第5の経営資源」だと考えているし、デザイナーは、税務顧問(税理士)、法律顧問(弁護士)、経営顧問(コンサルタント)、労務顧問(社労士)に次ぐ、「第5の顧問」、デザイン顧問としてもっと企業経営に入り込むべきだと考えている。特に中小企業に行けば行くほど、デザインへの関心が薄過ぎる。これは経営者の側にも問題があると思うのだが、デザイナーの側にも大いに問題があると思う。作ってみなければ分からない、やってみなければいくらか言えない、言われた通りに作るから要望を言え、といったお粗末な対応が多過ぎ。これでは頼みたくても頼めない。だから、固定の顧問料を払うデザイン顧問になったらいいと思うのだが、どうだろう?本書に、そんな提言があるわけではないが、私が考えるデザイン顧問的な提言が分かりやすく書かれていておすすめだ。名刺やホームページなどをどうするかといった具体的な事例もある。おまけにどうやったらコストを下げられるかといった提言もあるから、なかなか良心的だ。大企業には専門の部署があり、担当者がいるから、本書の内容では物足りないだろうが、中小企業経営者には是非読んでもらいたい。「第5の経営資源」について考えてみて欲しい。そして、是非デザイナーの皆さんにも読んでもらいたいと思う。こういう提案を分かりやすく中小企業の皆さんにしてあげてください。きっと仕事がたくさんあります。「第5の顧問」になろう。