コンサル奮戦記~その6:研修でのお約束2011年02月22日

こんにちは、
経営の見える化エバンジェリストの本道です。

有価証券報告書を提出している会社の約7割が3月末決算です。
この1月~2月は、来年度の経営戦略や営業戦略の策定の研修がグンと多くなります。
来年度の経営方針や営業方針の策定や年度方針を具体的に戦略マップやスコアカードにして見える化する研修などがその中心となります。

私は、その研修の冒頭に、必ずお願いすることがあります。

それは、以下の4つを捨ててもらうことです。

❖捨てるモノの1つ目は、『手抜き・便乗』です。
各部門から10~30名の選抜メンバーが参加して、「ああでもない、こうでもない。」と数日間にわたって戦略を討議する研修です。
そんな中で、文字どおり『手抜き・便乗』をしようとする者がでてきます。
1グループ6名の討議で、「俺一人くらい参加してなくても、何とか1日をやり過ごそう。」と考える人がでてきます。
「折角の休日ですが、あきらめてください。逃げも隠れもできません。
折角時間を費やすのですから、手抜き・便乗は、おやめください。」とクギを刺します。

❖捨てるモノの2つ目は、『極化現象』です。
研修の最終日に各グループの戦略やその具体策をプレゼンします。
その内容が、とにかく極端なのです。
とにかく目立てばいいとか、奇抜なアイデアで他グループやオブザーバである上司の目を引こうとか、動機がいかにも不純なのです。
どうも営業部門の研修に多いような気がします。
営業部門は、元来サービス精神が旺盛なのかもしれません。
これもまた、びっくり大会ではないのですから、最初にクギを刺しておかなければなりません。
理屈の通ったプレゼンが必要です。
もちろんチャレンジャブルな取り組みを否定しているのではありません。
奇抜で無謀な、ウケをねらった取り組みである必要は、まったく必要ないのです。

❖捨てるモノの3つ目は、『同調圧力』です。
先輩と後輩というチーム分けや部門や拠点ごとに戦略を作成するために、部長と課長と主任と担当者というヒエラルキーでのチーム分けの場合に要注意です。
折角、チームで建設的な意見が飛び交い、最後のまとめの段に、先輩や部長が口を開きます。 
  部長:「・・・・・とは、言え。やっぱり・・・・・だよな。」と。そう言いながら課長の顔を見ます。
課長:わずかな沈黙の末に、「ですよね。」と。
課長:そして、主任やその他の部下であるメンバーに向かってひと言、「・・・・・だよな。」と。
一堂:「ぺこり」と。・・・うなずく。
この瞬間に、これまでの折角の議論が空中分解、水泡と化します。

❖捨てるモノの4つ目は、『過剰忖度』です。
過剰忖度とは、必要以上に相手をおもんばかり、結局自分のためにも相手のためにもならないことをしてしまうことです。
たとえば、平日仕事の帰りが遅く、奥さんと夕食もできない。
たまの日曜日くらいは、疲れていて気乗りしないけど、罪滅ぼしにと、奥さんを外食に誘う。
一方の奥さんは、平日の女子会で疲れているけど、亭主が折角誘ってくれたんだからと、そんなに行きたくもない食事にでかける。
結局、「亭主と奥さんが、行きたくもない外食にでかけた。」という笑うに笑えない。
あらぬ方向、結末である。
チーム討議をしていると、そう簡単にアイデアがでるとは限らない。
ちょっと考えて簡単にアイデアがでるくらいなら、苦労はしない。
重苦しい空気の中で、過剰忖度が生まれる。
たいしてその気でなくても、苦し紛れ。ワラをもすがる。
是非、沈黙を恐れずにチームでしっかり討議し、納得し、腹に落とし、理解したいものだ。
多数決で、話を進めることも、時に必要もしれない。しかし、多数が正解とも限らない。

この4つを捨てることから研修は、スタートする。
「何だ?そんなこと!」と、思うかもしれない。
しかし、いざグループ討議になると、多くのチームがこれらの症状が現れる。

あなたの会社の会議やグループ討議は、大丈夫ですか?




↓↓ 可視化経営のstep①~ step⑦はこちらから ↓↓
step① 「経営理念・使命を再確認する」
step② 「20年後の将来ビジョンを描く」
step③ 「ビジョン,戦略,戦術をマップ化する」
step④ 「スコアカードを作成する」
step⑤ 「アクションプランを決める」
step⑥ 「モニタリングシステムを作る」
step⑦ 「経営コクピットを完成させる」