Step7 経営コクピットを完成させる~「視・観・察」で意思決定2010年12月21日

こんにちは、経営の見える化エバンジェリストの本道です。

単に評価指標の目標値や基準値と実績値をポータルに表示して、何が分かるのでしょうか。
目標値と現状値の差があれば、“差”=“問題”ですから、素早く問題認識を持つことができます。

たとえば、営業マンA君の物件の受注までの商談プロセスが、アポイント ⇒ 初回訪問 ⇒ デモ ⇒ 提案 ⇒ 見積 ⇒ 役員面談 ⇒ 稟議 ⇒ 受注、だったとします。
そして、A君に課せられた目標値は、役員面談を月8件行うことだったとします。
A君の先々月は、9件と目標値をクリアしました。
しかし、先月5件、今月4件と目標値を下回りました。
ここ3ヶ月間の平均は、6件ということになり、9件の目標値を下回ったことになります。
ここでA君がここ3カ月、役員面談の目標値をクリアしてないという問題は、認識できます。
しかし問題の原因は、この実績データからは、見えてきません。
そのための情報が、別途必要になります。

その点で参考になるのが2500年前の中国春秋時代の孔子の「論語」。

その一節に
「子(し)曰(いわ)く、其(そ)の以(な)す所(ところ)を視(み)、其(そ)の由(よ)る所(ところ)を観(み)、其(そ)の安(やす)んずる所(ところ)を察(さっ)すれば、人(ひと)焉(いずく)くんぞ廋(かく)さんや、人(ひと)焉(いずく)くんぞ廋(かく)さんや。」
という「視・観・察」の教えがあります。

孔子曰く、まず人物や物事を評価するには、その行為をありのままに見ることが必要であると、説いています。
これが「視」で、ここでは評価指標を現場から収集して見るということになります。
ただし表面的な行為だけで、その人物や物事を判断するのは早計で、その行為に至った過去の経緯を見ることが必要だといっています。
これが「観」で、ここでは一昨年、昨年、先月などの過去のデータや他部門や他社との関係を比較して見るということになります。
そして最後に、その人物や物事の意図や動機・背景、目的を考えて見ることが必要だといっています。
これが「察」で、IT日報の履歴情報がこの役目を果たしてくれます。


経営CompasScope」では、評価指標を1画面でパッと確認できるように、ポータル画面に自由にレイアウトでき(これが孔子の「視」にあたる)、タブとプルダウンメニューで過去の評価指標や他部門の評価指標との比較ができ(これが孔子の「観」にあたる)、それぞれの評価指標には、その指標に関連する履歴情報や詳細データへのリンク(これが孔子の「察」にあたる)がなされています。

ただ単に、評価指標の目標値と現状値のギャップを見える化するだけでなく、このように目標値と現状値のギャップの原因を究明するために「視・観・察」と段階的に情報を提供し意思決定を支援するためのしくみが必要となります。



↓↓ 可視化経営のstep①~ step⑥はこちらから ↓↓
step① 「経営理念・使命を再確認する」
step② 「20年後の将来ビジョンを描く」
step③ 「ビジョン,戦略,戦術をマップ化する」
step④ 「スコアカードを作成する」
step⑤ 「アクションプランを決める」
step⑥ 「モニタリングシステムを作る」