「業務改革研修」のワークについて⑤2016年2月29日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

今回は、ちょっと休憩モードで。

いろんな業種の企業様に参加いただく「オープン型の業務改革研修」について、これまで数回にわたって話をして来ました。
今回は、参加いただく企業に見る好ましくない傾向についてお話し、したいと思います。
「オープン型の業務改革研修」は、午前10時開始、午後5時終了の1日研修です。
昼食時間や途中の休憩時間を抜くと、正味6時間弱の研修となります。



その中で可視化経営のフレームワークの概要や検討するグループ討議の手順を解説しながら、自社の業務改革の成果物をスコアカードなどいくつかのシートに成果物としてアウトプットして行くのですから、結構タイトなスケジュールとなります。
とは言え、実際のビジネスシーンにおいて、ヒト、モノ、カネ、時間、情報などの経営資源が潤沢にある場合の方が少ないことが殆どであることを考えると、置かれているこのような環境すら実践的であると言えます。
限りある時間や情報の中で、如何にして業務改革のポイントを探り当てて、実践に即した活動にまでを捻りだす力が問われています。このようなスキルは、業務改革だけに求められるのではなく、多くのビジネスシーンに共通して必要なものであると思います。
私は、このようなワークショップ型(グループ討議型)の研修おいて以下の3つの視点で参加企業を見ています。

1.当事者意識があるか?
研修の中で、業務におけるあるべき姿と現状の差を抽出し、その問題を引き起こしている原因を究明してみるグループワークをすると見えてきます。
問題を引き起こしている原因の多くが、外部環境や社内の上司や部下など自分以外、あるいは他部署であると。
こうなってしまうと、 例えば営業部門において問題の原因を深堀しても、「世の中景気が悪いから」とか、「自社製品の価格が高いから」とか、「製品自体に競争力が無い」とか。
挙句の果てに「もうちょっと安くて良い製品作ってくれれば売れるけど…」なんて、言いたい放題です。
景気が良く、自社に安くて競争力のある製品があれば、「営業マン、そうあなたは、必要ないですよね」って、言いたくなるようなチームも出てきたりします。
自分の事は、そっちのけ。まさしく当事者意識の欠如です。

2.答え探しになっていないか?
次に見受けられるのは、答えがどこかに落ちてないか、答え探しをするチームです。
可視化経営のフレームワークをベースにした解説した本研修テキストや当日配布した拙著「すべての見える化実現ワークブック」など、



資料を先読みしながら答え探しに一生懸命なチームが出てきます。
正解がどこかにあって、検討すべき答えが、テキストや書籍の巻末に付録として付いているとでも思っているのでしょうか?
学校の試験には正解や模範解答がありますが、ビジネスはそうじゃないですよね。
解説した手順や切り口に従って、しっかりと論理的にグループで考えていただく時間なのです。
また、講師の私に、すがるような目で答えを求めるチームも出てきます。
答え合わせしたって、研修でしっかり考え方や理屈をご理解いただかないと、応用問題が解けないですよね。

3.忍耐強く取り組んでいるか?
最後に、午後3時半のコーヒータイムを過ぎたありから、脱落チームが出てきます。
マラソンで言うところの30kmからが本当の勝負なのに、ラストスパートを放棄してしまうタイプです。
その言い訳の多くは、「問題の設定が取り違えていた」とか、「あるべき姿の定義をちょっと間違っていたから」とか、簡単に根底を覆すこと。そしてその理由を、勘違いで済ますことです。
勘違いしたことに気付いたのであれば、制限時間一杯に七転八倒しながら貪欲に取り組んで欲しいのに、簡単に諦めてしまいます。
こうなると、あと終了の午後5時までの約1時間半、思考停止であきらめムードのムンムンの受け身の研修と化してしまいます。

この3つの視点は、参加企業の組織的な癖(良いも悪いも組織風土)として日頃の活動に表れて来ます。組織の中に居る人たちは、自分たちの姿・形・癖に気付いてない場合が殆どです。なかなか3つがバランス良く機能している企業は少ないものです。
われわれは、意識(心)・論理(技)・習慣(体)の3つの視点の弱い部分を補完すべく褒めたり、口説いたり、わざとストレスを与えたりしながら研修をリードしています。