Step4 スコアカードを作成する~楽天イーグルスに見るスコアカードのヨコの因果関係2010年08月24日

こんにちは、
経営の見える化 エバンジェリストの本道です。

前回までに作成した可視化マップの各視点の取り組み(これを戦略目標といいます。)をさらに具体的なアクションにまで展開したものがスコアカードです。

楽天ゴールデンイーグルスを例に、このスコアカードを説明します。
各視点の戦略目標を、財務の視点:売上アップ、顧客の視点:リーグ優勝、業務プロセスの視点:データ分析プロセス、人材と変革の視点:データ収集力とチームワークと勝手に決めました。

顧客の視点の戦略目標であるリーグ優勝のするためには、「田中将大(マー君)投手の大活躍」、「山崎選手の大活躍」、「外国人選手の補強」、「監督の名采配」など、いくつかの選択肢があると思います。

その中で戦略目標を実現するために最も効果的な手立てをゴール指標(KGI:Key Goal Indicator)とします。

わたしは、「楽天のリーグ優勝は、マー君の活躍次第である」という仮説から、顧客の視点のゴール指標を「マー君の大活躍」とに決めました。

ところで「マー君の大活躍」と一口に言っても、どの程度の活躍であれば大活躍と言えるのでしょうか。活躍といった曖昧な言葉を評価するのは難しいので、誰でも客観的に測定できるように評価基準を数値化しておきましょう。

ここでは、「マー君が先発し16勝以上の勝ち星を挙げること」を評価基準としました。
1シーズンで「16勝以上すれば大活躍、11勝から15勝であればマアマアの活躍、10勝以下であれば活躍せず」と評価基準を数値化するのです。

しかし、ここで一つ問題があります。マー君の勝ち星による評価は、1シーズン終わらないと確定しないということです。経営に置き換えるとおよそ1年後でないと成果の状況を判断することが出来ないということになります。

この点を解消するために、マー君が、1シーズン16勝以上するためには、日々何を具体的に行えば良いのかを、もう少し掘り下げて考えてみましょう。

「筋トレ」、「投げ込み」、「イメージトレーニング」、「走り込み」などなど・・・、勝ち星を上げるために取り組むべきことが、あるはずです。

その中で、ゴール指標の達成に最も因果関係があると思われる指標を日課(KPI:Key Performance Indicator)として選択します。

ここでは、「筋トレ」と「走り込み」を日課として選択しました。さらに日課の数値目標をそれぞれ「筋トレ毎日1時間、走り込み毎日10km」と数値化しました。

これでスコアカードの顧客の視点が完成しました。

可視化マップにおける4つの視点の各戦略目標が、上から下、下から上へとタテの因果関係であるのに対して、各視点の戦略目標とゴール指標、日課のつながりは、左から右、右から左へのヨコの因果関係となります。

要するに、現場で日課を実施すれば、戦略目標実現のためのゴール指標が達成される。各視点の日課が実施されれば、可視化マップの各視点の戦略目標が実現され、結果として財務の視点を達成するという理屈になります。



↓↓ 可視化経営のstep①~ step④はこちらから ↓↓
step① 「経営理念・使命を再確認する」
step② 「20年後の将来ビジョンを描く」
step③ 「ビジョン,戦略,戦術をマップ化する」
step④ 「スコアカードを作成する」