Step3 ビジョン、戦略、戦術をマップ化する2010年08月10日

こんにちは、
経営の見える化 エバンジェリストの本道です。

可視化マップ理解を深めるために、自社の今期の施策や新たな取り組みを、戦術マップに置き換えてみましょう。
まず、ヨコ10cm×タテ7cmくらいのポストイットを用意します。
1枚のポストイットに、1つの施策(具体的なアクションや目標)を記入してください。
そのポストイットを、財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、人財と変革の視点の4つの視点に分類して、並べてみます。
そして、各視点の取り組みで関連のあるポストイットを線で結んでみましょう。

どうですか、上手く今期の戦術マップが作成できましたか。
以下の可視化マップのように、各視点のポストイットが実線でつながりましたか?

この戦術マップは、ある機械メーカーの既存顧客への施策を表したものです。
この戦術マップを引用して、ありがちな良くない戦術マップを 『 ダメダメ可視化マップの4類型 』として紹介しておきます。

❖ダメダメ可視化マップ その1・・・顧客不在型
顧客の視点が抜け落ちているパターンです。
笑っていられません。実際に一番多いパターンです。マップを書いて見ると常日頃は、顧客満足、顧客第一などを謳っているにも関わらず、顧客の視点での施策をいかに考えてないかが良く分かります。

❖ダメダメ可視化マップ その2・・・属人組織型
業務プロセスの視点が抜け落ちているパターンです。
これは、比較的従業員の少ない零細・中小企業に多いパターンです。
たとえば営業部門であれば、社長やトップ営業マンの個人の頑張りで顧客が満足しているという会社です。
また、家業から企業へ、社員も10人から30人、50人へと増えて行く途中で、通る道でもあります。

❖ダメダメ可視化マップ その3・・・笛吹けど踊らず型
これは、前述の属人組織型と違い、中堅企業以上の企業に比較的多く見られるパターンです。
戦略マップのタテの因果関係は、構築されているものの、いざ実施段階になって、現場が誰も動かないため、社員一人一人のスキルアップやノウハウの共有、風土改革などの人財と変革の視点が機能していないパターンです。

❖ダメダメ可視化マップ その4・・・離れ小島型
施策があるものの、各視点の戦略目標の関連づけができないパターンです。
施策は、やらないよりやった方が良いのですが、せっかく施策に取り組むのであれば、4つの視点の関連づけができて、最終的に顧客に喜んでいただき、財務の視点の成果が見えないと、経営資源の無駄遣いになってしまいます。

いずれの可視化マップ(ビジョンマップ、戦略マップ、戦術マップ)も、ビジョンを目指すための具体策として、人材育成と組織の変革を進め、その変革が業務プロセスに変化をもたらし、業務プロセスの変化が、顧客に満足を与え、その成果として財務の視点の目標が達成するという因果関係に変わりはありません。この一連の流からかけ離れ、ありがちなダメダメ可視化マップにならないように要注意です。



↓↓ 可視化経営のstep①~ step③はこちらから ↓↓
step① 「経営理念・使命を再確認する」
step② 「20年後の将来ビジョンを描く」
step③ 「ビジョン,戦略,戦術をマップ化する」