ある営業部門の課題解決マップ(後編)その12014年08月28日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。
今回は、「ある営業部門の課題解決マップ(後編)その2」です。

営業部門での課題の定番中の定番と言えば、「新規顧客からの引合い創出」
このテーマについて、スコアカードを作成します。
今回は、人材と変革の視点を導出してみましょう。

前々回、以下のとおり《新規引合創出のための戦略マップ》と理想的な業務フローとして《企画構築プロセス》を作成しました。


まず、スコアカードの完成形を以下に示します。


スコアカードの作成手順は、以下の通りです。 前回は、①と②について、説明しました。

①まずは、財務の視点のゴール指標を設定します。
②つぎに、業務プロセスの視点のゴール指標と日課指標を決定します。
③そして、人材と変革の視点のゴール指標と日課指標を決定します。
④さらに、顧客の視点のゴール指標と日課指標を決定します。
⑤最後にもう一度、財務の視点のゴール指標を確認します。

③は、②の業務プロセスの視点のゴール指標と日課指標を検討する際に使った《企画構築プロセス》の業務プロセス検討シートから導出します。

ここで、戦略マップの人材と変革の視点の課題の導出方法のおさらいです。
まず、業務プロセスを実行しようとした際のボトルネックを洗い出します。
ボトルネックとは、簡単に言えば思い通り=理想通りのアウトプットにならない工程ということです。
その理想を、もう少し具体的に言うと、以下のモレ、ヌケ、ダブリ、徹底度、達成度、スピードの6つの視点のいくつかで問題が発生すると言うことです。

理想的な業務フローを作成しているのですから、現状の業務フロー以下のような不具合があるはずです。
理想的な業務フローが、今現在出来ているならわざわざここで業務プロセスを作成して指標化する必要もありませんからね。
また、これまでにこのような業務プロセス自体が存在していなかった場合は、自分たちがこの業務プロセスを取り組んだ際に、ボトルネックになるだろうと想定する工程を抽出してください。

ボトルネック工程が、たくさんある場合は、その中で一番重大な工程ピックアップしてください。
どれもこれも重大なボトルネックだという場合には、より上流の工程のボトルネックに着目しましょう。
要するに、水を上から流した際時と同じです。
いくら下の方の工程のボトルネックを解消しても、上流工程で水が詰まっていた元も子もありません。
抽出したボトルネック工程は、なぜボトルネックになるのでしょうか?
ボトルネック工程となる原因を、「なぜ、なぜ、問答」して、原因の深掘りをしてみましょう。
深堀りをず~っと繰り返すと最後に、何が出てくるでしょうか?
なぜ、なぜ、なぜを繰り返すと最終的には、人、モノ、カネ、時間、情報、企業文化などの経営資源に行きつきませんか?
たとえば、うちの会社のボトルネックは、○○のスキルやノウハウを持った人材が、いないからとか、○○をマネジメントすることが出来ないからなどです。
であれば、そのなぜ、なぜの深掘りで経営資源に行きつく一つ手前の内容を、人材と変革の視点の課題に設定します。

↑ちょっと長いおさらいになりました。

今回であれば、「宿題対応力」とは、企画商品を訴求するために、他社との違いを、訪問際のバイヤーに的確に伝える必要がある。
そのためには、まず他社と商品を良く知ることが必要。
要するに、宿題対応力=他社の商品知識力ということ。

《ゴール指標と日課指標の導出手順》
①人材と変革の視点のゴール指標(KGI)は、直属の上司として人材と変革の視点の戦略目標の達成状況を客観的な事実として評価する際に、何で評価するかを検討します。
客観的事実で評価する際の切り口は、
  a)社内の客観テスト
  b)社外の通信教育・資格試験
  c)上司による問診・チェックなど

本当は、↓こう行きたいのですが、
⇒70点以上を合格として、毎月実施する他社商品の理解度テストに、全員が合格することでもOKです。

ちょっと変形で、
⇒売れ筋商材の比較レポートを、1件/月・人提出というのもありです。
このレポートを作成することが出来るということは、他社の商品に対する知識について、今よりは向上しているという因果が強いという前提での話です。

②人材と変革の視点の日課指標(KPI)は、先に設定した人材と変革の視点のゴール指標(KGI)を実現するために、社員一人一人が取り組むべき活動になります。

⇒新製品を実施に使ってみる 1件/週・人
⇒メーカーを呼んでの製品勉強会 1回/2週間・人

今回は、
⇒売れ筋商材のメーカー同行 1回/週・人 としました。

③日課指標という名の通り、できるだけ日次の行動目標を検討してください。
④最後に、この行動目標を継続することで人材と変革の視点のゴール指標を達成することができるかどうかを確認します。

今日のポイントは、人材と変革の視点は、「わっ面倒くさ~」と感じるくらいが、丁度よいです。