≪事例研究≫日雑卸売業H社の場合~Step3 ビジョン、戦略、戦術をマップ化する(その3)2011年06月14日

一度、ここらで経営の見える化で使っている言葉を再確認しておきます。

まず、会社には経営理念が普通はあります。
なぜなら、経営理念とは、会社の目的や理想を表したものだ。
例えるなら天空に輝く「北極星」。

そう北極星は、常に北の空に輝いている不動の星だ。
だから、経営理念は、会社の究極の目的を表しているのだ。
そして目的とは、目指す的(マト)。最終ゴールと言うこと。

その北極星に向かう経営の道のりは、果てしなく遠い。
その道中を示す道しるべ(標)が、ビジョンとなる。
ビジョンは、会社が目的に向かって進むマイルストーン(目標)だ。

それを社員のみんなが共有しやすいように図にしたものがビジョンマップ。
ビジョンマップは、会社が20年後に「なりたい姿」を表したものだ。

そして、ビジョンマップは、財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、人材と変革の視点という4つの視点(前々回説明した勝ち残る企業の4つの抑えどころ)で図にするのだ。

20年後の成功のイメージができたら、次は3年から5年後の中期経営計画にこの、ビジョンを反映させる。
20年後ビジョン実現に向けて、逆算して中期経営計画を策定するのだ。

中期経営計画もビジョンマップと同様の4つの視点で図にする。
これを、「経営の見える化」では、戦略マップと言う。

ここまで来れば、もう一息だ。

3年後の戦略マップを今年の年度方針に落とし込み、図(これが、戦術マップです)で示そう。
経営理念⇒ビジョン(ビジョンマップ)⇒中期経営計画(戦略マップ)⇒年度方針(戦術マップ)と一気通貫しただろうか。

これら3つのマップを「経営の見える化」では、可視化マップと言う。



誰もが知っている業界大手が経営破たんする時代だ。
これまで何とか生き残ってきたとしても、これから先も同じように生き残って行ける保証などどこにもない。

それほど厳しい環境に置かれているのだ。
先が読めないこんな時にこそ、自分達の会社がこれからどこへ向かおうとしているのか、
ビジョンを明らかに(会社の将来の可視化)すれば、
厳しい道のりが少々続いても全社員が一丸となって歩みを進めて行くことができるのだ。

そこから逆算して、今、ここいる。現在があるのだ。





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