≪事例研究≫日雑卸売業H社の場合~Step3 ビジョン、戦略、戦術をマップ化する(その1)2011年05月31日

こんにちは、
経営の見える化エバンジェリストの本道です。

前回は、日雑卸売業H社の事業ドメインの定義を行いました。

20年後の将来ビジョンを定義することで、自社の目指す将来像が明確になりました。
しかし、目的地を決めただけで目的地に到着するわけではありません。
実際に目的地に向かって一歩一歩踏み出さなければなりません。具体的な行動が必要となります。
行動なくして成果なしです。

一人で目的地に向かうなら、出発時間もルートを決めずに、思いのまま、気の向くままも、ありかもしれません。しかし組織的として活動するためには、全員がどこに、どのようにして行くのかを明確にしておく必要があります。

そのために以下のような方程式を組織全体で共有しておく必要があります。
ますますマーケット縮小する国内市場において勝ち残るためには…
ターゲット顧客に満足いただいて生涯顧客になっていただく。
すなわち、ロイヤルカスタマー(贔屓客(ひいききゃく))となっていただく。
ロイヤルカスタマーは、少々高くても繰り返し購入してくれる、関連の商品やサービスも使ってくれる、時には顧客も紹介してくれるほどのありがた~い顧客です。

この状態を作って行くことが、H社が勝ち残っていくための基本となります。
この基本を実践していくのは、H社で働く従業員です。
スキルやマインドの高い人材が組織的に活動することで生み出される製品やサービス、接客、営業が、
お客様の事前期待を上回るからお客様が満足されるのです。

この流れをフローにすると、以下のようになります。



そして、勝ち残りのフローをもう少し整理してみると、人材と変革の視点、業務プロセスの視点、顧客の視点、財務の視点の4つの視点で表わすことができます。
この4つの視点は、バランススコアカードの4つの視点に符合します。

H社のプロジェクトメンバーと共有したかったのは、戦略の具体化を行う際に経営のフレームワークであるバランススコアカードがこの4つの視点で検討することを進めているから意味も分からずに、この4つの視点で戦略策定するという愚行を起こさないことです。

この4つの視点で戦略を検討する背景や意味をしっかり理解したうえで、戦略の具体化作業に着手したのでした。

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