自社の営業戦略を今一度チエックしてみよう その2 2024年3月1日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

前回は、営業戦略見直しのためのシーン設定は、ポジショニングマップ(下図の①誰に、②何を)を使うことをお話ししました。



さらに、このターゲットに対してどのようにして(③チャネル)接触するかを明確にします。
自社がメーカーで直販なら:B to C、代理店販売なら、B to B to Cとなります。
そして、代理店販売(B to B to C)の場合には、代理店の立場でのポジショニングマップ(B to B to Cの後半のB to Cの部分)で、営業戦略の設定シーンを明確にする必要があります。
例えば、
❖営業方針(TOBE)
自社A(メーカー)の取り扱い商材の既存販売ルート(工務店、商社、デベロッパーなどをイメージ:以下、既存代理店と称す)への顧客内シェアUPを目指す

具体的には、
A-1:既存代理店において自社ご利用の施主の定期的な買替需要➡施主維持
※A-1は、顧客内シェアUPのための維持活動(以下、顧客内シェア維持活動と称す)

A-2:既存代理店の自社A(メーカー)以外(他社メーカー)ご利用の施主の定期的な買替需要
➡施主獲得(自社A(メーカー)としては施主獲得であるが、チャネルとしては施主数の変化なし)
B:既存代理店の新規施主の新規需要または定期的な買替需要➡施主拡大(自社A(メーカー)およびチャネルともに拡大)
※A-2およびBは、顧客内シェアUPのための拡大活動(以下、顧客内シェア拡大活動と称す)

C:直近3年間(期間は例示)に自社A(メーカー)と取引がない既存代理店を休眠チャネルと定義し、休眠チャネルの取引再開を狙う➡休眠チャネル開拓

D: 自社A(メーカー)と取引口座のないチャネルの開拓➡新規チャネル開拓

図示すると




優先順位:A-1>A-2>B>厳選C………>D(新規チャネル開拓については、自社A(メーカー)の知名度からして劣後:もうやりつくしていると想定?)

❖この営業方針(TOBE)に対して営業現場(ASIS)では、現在以下のような問題を抱えています。

(1)既存代理店に対する案件創出フェーズの現場活動の有効性が、把握できてない
※有効性とは、有効商談と案件化、売上との因果関係を素早く簡便に把握すること

(2)既存代理店に対する案件対応フェーズの現場活動のマネジメントが非効率となっている
※具体的な案件の進捗状況、受注確度、受注時期、個別事情などをマネジメント(営業担当自身のセルフマネジメント、上長による組織的なマネジメント)するために必要な情報がいつでも、どこでも、簡便に入手できること
➡具体的には、現状使用している会議資料同等のものがSFAで把握できること

(3)既存代理店に対する案件創出および案件対応フェーズにおける情報を活用した実証セールができてない 
※情報を活用した実証セールスとは、①顧客、②商品、③案件の3要素を切り口とした売上分析か簡便に可能なこと



《営業の活動フェーズ:Sales Value Chain》

Ⅰ.案件創出フェーズ(ターゲット顧客との信頼関係構築から具体的な案件発生まで)
Ⅱ.案件対応フェーズ(具体的な案件発生から受注まで)

Ⅲ.アフターフォローフェーズ(受注から製品やサービスの納入・設置・運用開始および定着まで)
Ⅳ.情報提供フェーズ(既存顧客や定期的な訪問先への定期的な情報提供と情報収集)
Ⅴ.出合いフェーズ(新規開拓のためのイベント企画・マーケティング活動)
Ⅵ.日常対応フェーズ(顧客や見込み客からの各種問合せやクレームの対応)
Ⅶ.マネジメントフェーズ(担当者のセルフチェックやマネジャーのチェックポイントの標準化)
Ⅷ.部門間コミュニケーション(他部門間とのコミュニケーションの標準化)
Ⅸ.ビジネスパートナーとのコミュニケーション(社外の協力会社とのコミュニケーションの標準化)
Ⅹ.ワークフロー業務(承認を伴う依頼・稟議申請などのワークフロー業務の標準化)

❖ A社の営業部門が抱える課題

課題1:既存代理店におけるシェアUPのために、案件創出フェーズおよび案件対応フェーズにおける活動の組織的に標準化すること
➡業務プロセスの見直しによる効率的で効果的な営業活動の構築

課題2:課題1で標準化した業務プロセス(案件創出フェーズおよび案件対応フェーズ)の中核となる営業担当の情報武装化の環境を構築すること
➡売上情報を顧客、商品、案件の切口で分析しターゲットチャネル(既存代理店および新規チャネル)に実証セールスする環境を整備することで、営業担当者の質的向上を組織的に提供する

課題3:課題1で標準化した業務プロセス(案件創出フェーズおよび案件対応フェーズ)の営業現場での取り組みが、期待すべき成果(受注や売上)に結びついたかどうかを素早く可視化すること
➡有効商談と売上の因果をはじめとする仮説-実施-検証の可視化と会議体に有効なマネジメント資料をSFAから提供する

メーカーA社を例にして営業戦略のシーン設定と、現状の困りごとから取り組むべき課題までを導出してみました。
このように営業戦略策定においては、具体的な活動シーンまで落とし込んで検討する必要がると思います。


著作紹介

  • 「可視化」、あるいは「見える化」というキーワードが取りざたされている昨今ですが、一般的には、製造現場でのヌケ・モレ防止策であったり、データをただ単にグラフ化し、わかりやすく …

    可視化経営

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