『可視化フレームワークによる中期経営計画策定』
~Step1: 3年後の“ありたい姿”と “なすべき事”を見える化する~
2016年10月31日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

今回は、中計策定のStep1を説明します。
まず、中計は、以下の図のように、短期(年度)と長期(3年~5年先)の両方で考えることです。



❖中計は、これまで経営の成果を出してきた取り組みに対する見直し=短期(基盤戦略と称する)
➡市場環境の変化への対応による改善活動
 すなわち、「Change」する切り口と、
 3年~5年後に経営の成果を得るための取り組み=長期(成長戦略と称する)
➡これまでと違う取り組みによる変革
 すなわち、「Challenge」する切り口の両面を考えることになります。

(1) 検討する中計の対象期間を、以下の例に従って記入します。
・検討する中計の開始年度(期)と終了年度(期)を記入します
・開始年度から終了年度に対応する期間(年月日)を記入します
・売上や利益などベースとなる直近の財務諸表の年度(期)と期間(年月日)を記入します




(2) 3年後のありたい姿を、見える化します
・ベース年度の売上(営業利益)をプロットします
・3年後に実現したい売上(営業利益)を、プロットします
※ここでのありたい姿は、売上や営業利益などの財務の視点の指標とします。
売上や営業利益という指標は、自社が市場に受け入れられたかどうかを判断するための客観的な指標という観点で設定します。



※ありたい姿は、中計を検討する人たち(チームやプロジェクト)のパッション(熱い想い)で構いません。要するに、この段階でのありたい姿は、根拠となるデータがなくても構わないと言うことです。
これから、それを中計で策定して行くのですから。

(3) 現在から3年を想定して見ます
・これから3年間(中計の期間)、これまで経営の成果を出してきた活動(基盤戦略)対して、新たな手を打たないとした場合の売上は、どうなりそうですか?
以下の2つの要素から3年後の現行の活動による経営の成果を想定してみましょう
・既存顧客自体のビジネスが成長する可能性がありますか?
・既存顧客内での当社のシェアアップの可能性が、これから期待できますか?



要するに、「当社の想定売上」=「市場規模の推移」×「当社の市場シェアの推移」という2つの要素か
ら、「現状の組み」に対して、これから3年間のトレンドを想定して、以下の図の③ようにプロットしてみます。



(4) 最初に設定した、「ありたい姿②」から、「現状の取り組みの3年後の状態③」の差が、中計の対象として考察する問題となります。

それは、「現状の取り組みに対する改善活動」による底上げ(上の図の④)の「基盤戦略」を検討することと、「ありたい姿②」から「現状の取り組みに対する改善活動④」の差を「成長戦略」として検討することとになります。
「ありたい姿」を設定したら、「ありたい姿」を実現するために、次に「なすべき事」を検討します。