『可視化フレームワークによる中期経営計画策定』
~ビジョンからの逆算スケジュールで~
2016年8月31日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

前々回から、「可視化フレームワークで中期経営計画のベースづくり」をテーマに、
ブログをアップしています。

皆さんの会社では、中期経営計画書(中計)を作成していますか?
面談する経営者から、現在抱えている困りごと、悩み、不具合などの「問題」をお聞きします。
その際に、かならず中計の内容を確認します。
なぜなら、そもそも自社として何処に向かって行きたいのかを知らぬまま、いまいま抱えている問題をモグラたたきのように対処しても、また似たような問題が発生する場合が多いからです。
応急処置としての止血の対処(原状復帰)をするだけでなく、そもそも出血した根本原因(真因)を探り、出血しないような体質改善も行わないと、組織として一向に強くなりません。
その際の体質改善の方針書が、中計となります。
中期には、組織の目的と目標が記載されています。(と思っているから、中計を拝見するのですが…)
組織の目的とは、読んで字のごとく、組織の目指す的(マト)です。
要するに、組織のありたい姿(①Will)として、方向性を示すことです。



そして、組織の目標とは、その「ありたい姿」(組織の目的)実現のために、自社として何ができて、何にこだわるかを明確にすること(内部環境の②Can)です。
また、この「こだわり」が、ターゲット顧客のニーズにマッチするのか、競合他社との差別化になるのか(外部環境③Must)を考慮します。
ありたい姿を実現するための②Canと③Mustの取り組みに対して、期限をつけたものが組織の目標となります。

要するに、ありたい姿(組織の目的)を決定し、ありたい姿を実現するための期限付きの取り組みが、組織の目標となります。
そして、組織の目的と目標のセットで、組織の「あるべき姿」(ありたい姿と違う)となります。

と、定義しているからこそ、その視点で中計を見せてくださいと、面談した経営者にお願いします。

しかし、拝見した中計の多くは、ありたい姿の列記は、あるものの、(これもキヤッチフレーズ的なものが多いのですが…)
それ以外は、今後3年間の売上、利益、人員、投資(設備)計画などの数字がずらりと並んでいるだけで、「ありたい姿」から具体的な「あるべき姿」(ありたい姿実現のための考察)への落とし込みが、できてない、あるいは不明確な中計が多いようです。

本来なら、20年後の将来ビジョンから逆算して3年から5年後のあるべき姿を中計として、そしてその中計実現のための取り組みが年度戦略に展開されているべきです。
(現実的には、将来ビジョンの可視化できている企業はレア)
しかし、中計すら上記のような現状ですから、
まずは、中計の抑えどころを、これから一緒にきっちりと取り組んでいきましょう。