Step5:ボトルネックの原因究明(2)2016年3月31日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

当社定常コースである「業務改革研修」のワーク部分を、数回に分けて解説しています。


前回は、Step5の「ボトルネックの原因究明」のボトルネックについての説明を行いました。
今回は、Step5の「ボトルネックの原因究明」の具体的な手順と注意点について解説します。
業務プロセスのボトルネック部分は、不具合という症状として現れます。それが、前回説明した業務プロセスの手順のヌケやモレやダブリや各手順の期待すべき値(目標値や基準値、所要時間)の未達成や全業務プロセスの継続性(日次、週次、月次などの習慣化)が出来ていないなどの症状として現れます。この症状(=問題)を引き起こしている原因を洗い出して、対策を打つことが必要です。

要するに、以下の問題解決ロジックですね。


問題解決のためには、
問題を認識し(問題意識) ➡ 問題を引き起こした原因を特定し ➡ その原因に対する課題を設定(方向性:何をするか)し ➡ その課題解決のための具体策(方法・手段:どの様にするか)を、構造化して論理的に導くことが求められます。
間違っても、問題を認識しないままに、具体策を講じることの無い様にしてください。
お腹が痛いから大正漢方胃腸薬を処方するようなものです。
お腹が痛い(問題)という症状の原因うぃ特定しないで、胃腸薬という具体策を講じているわけです。
お腹の痛いのは、昼休みのバラエティ番組が可笑しくって笑い過ぎたのかもしれません。
昨日の夜、久しぶりにスポーツジムに行って腹筋し過ぎたのかもしれません。
矢張り、昨晩のお花見で呑み過ぎたのかもしれません。
実際には、何か原因があるから、お腹が痛いという症状=問題が起こるのですよね。
問題は、元から断たないといけませんから、しっかり原因究明しましょう。
くれぐれも問題解決のヤブ医者にならぬようにしてください。
そのためには、小さな子が親に質問するときに使う「なぜ、なんで、どうして」という言葉を繰り返してみましょう。
そう「なぜ、なぜ、なぜ」は、原因深堀のためのキーワードでしたね。
このキーワードが、終着点に行き着くまで「なぜ、なぜ、なぜ」を連打してみましょう。


※原因深堀シートなど使って、原因追及の過程を見える化しておこう。

ちなみに、終着点とは、ヒト、モノ、カネ、時間、情報、企業文化、ブランド、信用などの経営資源のことです。「なぜ、なぜ、なぜ」問答で原因を上手に深堀できるようになった終着点は、経営資源に行き着きます。

●●の原因は、「イイ人がいないからな~」とか「時間が無いからね~」とか「設備やそのための資金が無いからな~」とか。

で、うちには経営資源が無いのが原因という結論であれば、The Endです。原因追及の「なぜ、なぜ、なぜ」の終着点の一歩手前を真の原因(真因)としてフォーカスして見てください。
また、原因究明の「なぜ、なぜ、なぜ」を繰り返している際に起こしやすい間違いを、3つあげておきますので参考にしてください。

 問題に対する原因究明が、上から下へ収束するイメージ


①「なぜ、なぜ、なぜ」の繰り返しが、発生した問題、困りごと、症状の原因を深堀しながら真の原因へと収束するはずが、逆に拡散傾向になり、堂々巡りとなっている。
例:お腹が痛いのはなぜ➡体調が悪いから

 問題に対する原因究明が、上から下に収束せずに拡散するイメージ


②「なぜ、なぜ、なぜ」の繰り返しが、発生した問題、困りごと、症状の原因を深堀しながら真の原因へと収束するはずが、似たような言葉の単なる言い換えになり深堀されていない。

 問題に対する原因究明が、上から下に収束せずに同義語で言い換えているイメージ


例:お腹が痛いのはなぜ➡シクシク差し込むから
③「なぜ、なぜ、なぜ」の繰り返しが、発生した問題、困りごと、症状の原因を深堀しながら真の原因へと収束する過程で、原因がグー、チョキ、パーになっていない。
➡問題の原因を3つ洗い出したが、それぞれが似たような内容で、ジャンケンのグー、チョキ、パーのようにもれなくダブリない原因の洗い出しになっていない。

 ❖MECE(ミッシー)
ある事柄や概念を、重なりなく、
しかも全体として洩れのない部分の集まりで
捉えること。





ダブり(ME)なしモレ(CE)なし
⇒Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive
 相互に  重複せず     全体として  洩れが無い