なぜ業務改革が必要なのか?2014年09月30日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。
今回から数回にわたって、「業務改革」という切り口から「可視化経営」について考えて見たいと思います。


第一回目の今回は、「なぜ業務改革が必要なのか?」について考えて見たいと思います。


現在の市場環境は、
①国内は、人口減少によるマーケット縮小、少子・高齢化
⇒ターゲット市場の縮小や採用難(買手も売手も減少)が、これからもさらに加速する中でビジネスを行っていく必要がある。



②モノ余り、情報インフラの充実
⇒顧客ニーズが複雑化し(顧客ニーズが多様化し、その顧客ニーズの一つ一つが高度化してきている状態)で、顧客に提供する価値の内容(顧客から求められる質と量)や提供方法(インフラの整備が提供形態を変えている)が、変化している。



③国外は、発展途上国の台頭
⇒発展途上国の台頭により、
限りある原材料が発展途上国に流れ原材料費の上昇や人件費の高騰を招いている。提供する製品の費用構造(材料費や製造原価、外注費など)の変化により、「価格が安いだけ」という顧客への価値提供では、利益確保が難しい。(薄利多売で行こうとしても売る相手が、減少している)
たとえば、玩具大手のタカラトミーのミニカー「トミカ」をこれまでの360円から450円へ25%、23年ぶりの値上げに踏み切ったのは、これ。


出典:http://toyokeizai.net/articles/-/31392


☑自問してみよう

❖果たして現在の取り組みが、顧客ニーズ、マーケットサイズ、コスト構造などの市場環境への変化に対応しているだろうか?
❖経営資源の制約の中で、いかにして勝ち残って行くのか、「成功の方程式(戦略)」を、見直す必要は無いだろうか?
❖市場環境が変化しているのに、これまでの業務スタイルのままで良いのだろうか?
❖市場環境への変化に対応しているとは、戦略を策定して、戦略を実行しているという状態を指すのではなく、 すでに一定の経営の成果を、出している状態のこと。
要するに、以下の要素の組み合わせの結果ということ。


☑注目すべきは

同様に戦略を策定して、戦略を実行して、経営の成果に差が生じている点。

これまでご支援してきたクライアント企業において、もう少し突っ込んで実態を調べてみると、経営の成果を出している企業と出していない企業の差として浮かび上がった共通点は、
以下の3点だった。


①戦略の現場への徹底度が違う
取り組むべき部門の戦略が、現場の行動レベルまで落とし込まれている。
⇒戦略実行のための業務プロセスの具体化、標準化

②戦略を検証するシクミがある
戦略にそれほどの優劣は、ない。予め成果を保証するような戦略などない。戦略を仮説として、自らが立てた仮説が正しかったかどうかをスピーディに検証するシクミが機能している。
⇒戦略モニタリングによる仮説検証サイクルの実現

③人時生産性( OUTPUT/INPUT)の追求
人時生産性 すなわち、限られた経営資源(INPUT)の中で、いかにして成果(OUTPUT)を出すかを意識した取り組みが進んでいる。
⇒ IT活用による効率化⇒人材育成、省人数経営

特に①の現場への落とし込みの具体性が違っている。
「何だ、あたり前のことじゃないか。」とおっしゃることなかれ。
戦略を、いかにして現場の業務プロセスにまで落とし込むか。
すなわち、これが業務改革。

要するに、市場環境の変化が、戦略や各部門(特に営業部門)の活動スタイルを変えることを余儀なくし、その変化の具体性をどれだけ持って現場で取り組むか、この取り組みこそが業務改革。
そういえば、1990年代に「リエンジニアリング革命」という本が、出版されて業務プロセスを見直しの必要性を示唆していた。しかし、日本では、「リエンジニアリング」が、なぜかしら「リストラ」と「現場の業務改善活動」に取って変わってすすんでしまった様だ。
いまこそ、業務改革をもう一度考えてみる良い機会だと思う。