戦略マップの4つの視点を工夫してみよう2013年11月13日

こんにちは、可視化経営エバンジェリストの本道です。

通常バランススコアカードでは、ビジョンと戦略の具体化を財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、人材と変革の視点の4の切り口で検討します。
この4つの視点は、これまで本ブログで何度も説明しました。
これら戦略マップの4つの視点は、バランススコアカードのお決まりなので、いまさらって感じかもしれません。

驚くことに、いざスコアカードを作成してみると、
財務の視点以外は、どれも似通ったゴール指標や日課指標となり、営業戦略の具体化を4つの視点で切り分けたこと自体、意味を持たなくなってしまっている場合があります。

そこで、一工夫してみましょう。
営業戦略のWhatにあたる戦略マップの4つの視点を、以下のような表現に変えてみるのです。

そうすることで、これから作成するスコアカードの4つの視点のゴール指標と日課指標が明確になり、ストーリー性のある戦略の具体策Howを作成することができます。

◆財務の視点⇒受注拡大とコスト削減の視点
まず営業部門で検討すべきは、結果として儲かる=売上、そのための受注拡大です。
そして、受注獲得のために、コストも手段選ばず。利益土返しなんて話ってことはあり得ませんので、営業部門のコスト削減も忘れてはならない重要な視点をなります。

◆顧客の視点⇒顧客ニーズへのこだわりの視点
当社として営業戦略を実行するターゲット顧客に対して、どのようなニーズにこだわって行くのかを明確にしてみましょう。
当社は、この顧客のこのニーズに対して、他社に負けない、他社をはるかにしのぐ、この顧客ニーズに関しては、徹底的に組織対応していきます。そんな強いメッセージををこの視点で宣言してみましょう。

◆業務プロセスの視点⇒社内のシクミの視点
そして顧客の視点で宣言した、顧客のニーズへのこだわりを、日々のルーチンワークとして組織的に取り組むためのシクミを構築しましょう。 そのシクミを組織的に実行し、生み出した成果物が、顧客のハートにジャストミートするものでなければなりません。

◆人材と変革の視点⇒経営資源の視点
社内のシクミが整えば、それをドライブするために必要な、経営資源を洗い出します。
経営資源といえば、ヒト、モノ、カネ、情報、企業風土・信用など、いろいろあります。
ここでいう経営資源の視点とは、社内のシクミをドライブするために必要な経営資源を特定し、その経営資源を集中投下することを意味しています。 しかし、「そんなに都合よく必要な経営資源が、あれば苦労しないよ」とおっしゃるかもしれません。それで結構です。
現段階で無いのであれば、その経営資源を何とかして調達するか、現状の経営資源を強化するか、その経営資源に取って変わることのできる経営資源で補うしかありません。
そのためのプランが、この視点のストーリーとなります。

ヒト、モノ、カネという経営資源が潤沢に備わっている企業は、まれ。
モノを産むのもカネを生むのも突き詰めれば、ヒト。
そのヒトを業務プロセスの視点=社内のシクミの視点で不足しているスキルに投下するのがこの視点の切り口になります。