営業戦略を具体化しよう~戦略策定のための心構え~③2013年10月15日

こんにちは、可視化経営エバンジェリストの本道です。

営業戦略を具体化するための手順を、連載でご紹介しています。
前回は、スコアカードの作成には、日課指標とゴール指標には、因果関係が必要であることを説明しました。
そして、この日課指標とゴール指標の因果関係を導き出す際に、もう一つ重要なポイントについて今回は、お話ししたいと思います。

それは、戦略マップの4つの視点のそれぞれについての成功要因となるゴール指標の検討において『ゼロベース思考』で発想するということです。

一般的に『ゼロベース思考』のためのキーワードは、
①そもそも、②立場変換、③時間ワープの3つのポイントで物事を考えて見ようという取り組みです。



もう少し具体的にいうと、
①そもそもとは、目的の観点(Purpose)で思考を広げようとするものです。
現在おかれている立ち位置よりも、より高次元な目的や目標に立ち返って、本来、何のためにといった背景を自問自答することで、思考の変化を生み出そうとするものです。
②立場変換とは、文字通り立場の観点(Place)を変化させ思考を広げようとするものです。
自己中心的な発想を排除して、他人の立場で考えてみましょう。
たとえば、顧客、仕入先、競合、地域住民などの利害関係者の視点で考えて見ること、自分自身を、まるでバルコニーから眺めるような気持ちで、思考して見ることが発想を広げます。
③時間ワープとは、期限の観点(Period)を変化させて思考してみるというものです。
検討事項が、今なのか、少し先なのか、ずっと先なのか、時間をずらしてみるのです。
過去なのか、現在なのか、未来なのか、という変化もOKです。
時間的な制約を外してみたりタイミングを柔軟に変えてみたりすることで自由な発想が生まれてきます。

そして、ゼロベース思考の3つのポイントで思い出したキーワードがありました。
それは、大前研一さんが、2005年1月17日号の「プレジデント」の言葉です。
引用させていただくと、

■人間が変わる3つの方法
1つは、時間配分を変える。
2番目は、住む場所を変える。
3番目は、付き合う人を変える。
この3つの要素でしか人間は変わらない。
もっとも無意味なのは、「決意を新たにする」ことだ。

時間とは、人生そのものですから、時間配分を変えることは、変化するための具体策ということでしょうし、住む場所やお付き合いする相手を変えるということは、会社では、人事異動による転勤をイメージすると、確かに人間が変わるきっかけになります。
そして、ゼロベース思考のポイントの①視点を変える、②立場を変える、③時間を変えるも、人間が変わる3つの方法に呼応しているような気がします。