戦略実行力は、戦略策定段階で作りこまれる~ダントツ一番化~2012年10月17日

こんにちは、可視化経営エバンジェリストの本道です。

前回は、『ビジョン設定シート』のビジョンとは、「ありたい姿(会社の願望)」と「なすべき事(会社としての拘り)」に期限を付けたものという説明を、三田市の洋菓子店《サント・アンさん》の経営理念をお借りして説明してきました。
まずは、『ビジョン設定シート』の上半分が完成しました。
今回は、『ビジョン設定シート』の真ん中に鎮座している、2つの「ダントツ一番化」について解説します。

❖ビジョン設定シート

日本で一番高い山は?」と、聞かれたらほぼ全員の人が、富士山と答えるでしょう。
3,776mという高さと優麗さを兼ね備える富士は、日本の山の象徴として多くの人が認めるところです。 さて、日本で二番目に高い山をご存知でしょうか?



出所:http://www.tabi2ikitai.com/geography/j0102a/a01003.html 余談ですが、北岳に負けじと3位の億穂高岳が、山頂に石を積上げ北岳より高くした(当時北岳は、3,192m)が、標高が変わることはなかったそうです。

山に詳しい人なら、衆知の事実だと思いますが、一般の人は、日本一高い富士山は、知っていても、2位の北岳や3位の奥穂高岳、ましてや間ノ岳など知る由もありません。

では、調子に乗ってもう一問。
日本で一番大きい湖は琵琶湖ですが、二番目に大きい湖は?
以下の通り、霞ヶ浦なんです。
名前は、知っていますが。。。。
圧倒的な琵琶湖の大きさに、2位の霞ヶ浦もかすみます。
きっと茨城県民名なら、かなりの正解率だったかもしれません。


またまた、余談ですが、『みんなで楽しむ 日本で2番目クイズ』というのがありますので、どれほど知っているか挑戦してみてください。7問中全問正解する人は、意外と少ないのではないでしょうか。
http://www.gsi.go.jp/WNEW/LATEST/special98-99-new22.htm 要するに、ビジョンに基づき、どんなに小さい領域でも認知されること。 すなわち、その領域で一番化を目指すことが重要であるということです。
そのための地域や業界やカテゴリを『ビジョン設定シート』の「対象領域」として設定しましょう。そして、その領域において、どんな製品やサービスを提供することによって「ダントツ一番」になるかを宣言します。
これで、ビジョン実現のための具体的な活動領域と自社らしさ、自社でなくてはならない理由を、製品やサービスという手段で定義することができました。

具体的には、「一番長くやっていること」、「最初に始めたこと」、「一番たくさん作ったモノ」など、未来の核にできる一番の切り口を検討しましょう。
また「老舗」の強みは絶対逆転不可能な時間の積み重ねですから、「元祖」、「本家」と名乗れる条件がないかを検討してみましょう。
どうですか、何かでダントツ一番になる自社のイメージできてきましたか。
確かに業界のリーダーになるのは、至難の業かもしれません。
しかし、事業領域を見直し、細分化し、狙い定めた領域で一番をとることは、不可能ではないはずです。
地域や客層、商品カテゴリを細分化し、勝てそうなところを探し、そこに経営資源を集中することを考えてみましょう。
要するに経営資源の比較劣位にある弱者が、何もかもできると表明しても何もできないのと同じです。
あなたが、「これしかやりません、これだけは絶対の自信があります。」と表明した時に、顧客はそれを指示し、ダントツ一番となるのです。

その狭い範囲でのダントツ一番の繰り返しが、より広範囲な一番となります。
そして、そのダントツ一番化を2つ持てば、
もうあなたは、鬼に金棒です。