経営の見える化を現場で上手に展開するには…2012年02月21日

こんにちは、可視化経営エバンジェリストの本道です。

可視化経営の構築フェーズのまとめとして、どうしてもお話ししたいことがあります。

❖結果を自らの事として受け止める当事者意識
可視化経営の展開・運用フェーズは、かかわる全社員が可視化経営フレームワークを理解した上で、仮説となる戦略を現場で取り組んでみて、思うような結果が得られない時は、出来るだけ速やかに改善策を検討し、その改善策を現場で取り組んでみるという仮説-実施-検証の一連の取り組みをコツコツと積み重なることです。

各部門での可視化経営の展開は、構築フェーズで中心となったメンバーが現場の社員をリードして行きます。また、比較的大所帯の組織では、マネジャーが可視化推進チームから個別に展開に向けた手順や注意事項についての教育を受けた上で、自部門で可視化経営の推進役とし展開して行くことになります。

この展開・運用フェーズを成功させるためには、最も重要なのが、「戦略を実行した結果を自らの事として受け止める」という現場一人ひとりの当事者意識です。

現場担当者が可視化経営についての知識や可視化経営自体に対する経緯や会社としての可視化経営の位置づけを説明せぬまま、いきなり「今日からこのビジョン実現に向けて戦略を取り組むから、上司の指示や命令通りに日課指標を取り組んで下さい。」と言われても、他人ごとしか受け取れません。

❖構築フェーズから現場の社員を出来るだけ参加させる
戦略に対する取組みが仮説となり試行錯誤するシーンが増えています。上司からの一方的に指示・命令されて仕事に取り組んでも、そう簡単に成果が得られない時代なのです。

過去の成功体験が通用しないのであれば、変に過去の成功体験に拘ることの不要な人たちで、自らが取り組む戦略を考えたほうがモチベーションも上がりますし、結果への執着も高まるはずです。
(例えるなら、日本航空の次期社長である植木社長が、パイロット出身者で、これまでの経営陣の薫陶を受けていないような発想の転換)

例えが悪いかもしれませんが、どんなにブサイクな顔をしていても、我が子は可愛いらしいものです。それと同様に、自らが戦略の策定に参加し、検討に検討を重ね、苦しんだ末に産み落とした子供が愛おしいのと同様に、似たようなプロセスを経て戦略は、思い入れも強い“My Baby”であるはずなのです。

ですから、可視化経営に対する現場担当者の取り組みに真剣さが足りないとか、運用が定着しないとか、展開・運用フェーズの段になってジタバタしても、もうとき既に遅しなのです。構築フェーズから出来るだけ多くの現場の社員を戦略策定のプロセスに巻き込んで、当事者意識を醸成することが、展開、運用を成功裡に進めるためのポイントとなるのです。