可視化経営の構築フェーズは、現場を巻き込んで!!2012年01月17日

こんにちは、可視化経営エバンジェリストの本道です。

前回まで、可視化経営を推進するための3つのフェーズ
(Ⅰ.企画フェーズ ⇒ Ⅱ.構築フェーズ ⇒ Ⅲ.展開・運用フェーズ)の企画フェーズのポイントを
説明してきました。今回から、可視化経営の構築フェーズについて説明していきます。

❖将来ビジョン策定には、若手社員を加えよう。

構築フェーズは、可視化経営の7ステップに従って実際に20年後の将来ビジョン、中期経営計画、年度方針などを策定します。さらに、現場での戦略の実施状況をモニタリングする仕組みの検討も行います。

可視化マップの検討は、経営トップ、対象組織の部門長、マネジャー、そして企画フェーズで可視化経営をよく理解している可視化推進チームを中心に進めていきます。

ただし、20年後の将来ビジョンを描いて、そのビジョンを「見える化」する作業は、20年後に会社の中枢を担っているはずの、現在30歳くらいの若手社員を構築フェーズのメンバーに加えることを忘れないようにしましょう。


❖戦略実行に欠かせない現場担当者の参加

また、年度方針を具体化した戦術マップとスコアカードの作成には、できるだけ現場担当者を参加させましょう。先が見えない混沌とした時代での戦略策定は、過去の経験や知識、これまで常識だった取り組みが通用しなくなります。

そして、あらかじめ策定した戦略のわずか一割ほどしか成功裏に終わらないほどに不確実なものとなってしまいます。

たった一割しか計画通りに戦略が進まないのだから、戦略を策定すること自体ムダだと考えてしまっては、元も子もありません。このような時代の戦略とは、内外の環境変化に柔軟に対応させていくもの、そしてその対応力そのものが戦略の要素となるという発想の転換が必要です。

当初立てた戦略を成功裡に終わらせるためには、現場の状況をよく知っているマネジャーや現場担当者を、戦略立案のなるべく早い段階から検討に参加させ、困難な状況に立ち向かうための当事者意識の醸成と今後発生するだろう戦略の見直しをリードするための意識づけを行なっておく必要があります。

ちょっとやってみて、成果が出なかったら次の一手を考える。次の一手をやってみて、成果が出なかったら、また次の一手を考える。このように戦略の仮説-実施-検証のサイクルを素早く回して、内外の環境や状況変化に対応することのできるマネジメントスタイルを確立していくのです。