≪事例研究≫日雑卸売業H社の場合~Step7 経営のコクピットを完成させる2011年11月15日

こんにちは、“経営の見える化”エバンジェリストの本道です。

経営の見える化には、ITシステムが不可欠です。
戦略のPDCAサイクルを高速回転させるためには、ITシステムの有効活用がカギとなります。
日用雑貨卸のH社の戦略を経営のコクピットにしてみます。

朝9時に出勤してPCの電源を入れ、自分のIDとパスワードを入力します。
するとグループウェアのトップページが立ちあがってきます。
このグループウェアの画面には、スケジュールや新着メール、稟議書の承認依頼は、もちろんのこと、自グループや自部門の戦術マップが表示されています。信号機と同じように、戦略の取り組み状況を色表示するため否が応でも目につきます。

気になる戦術マップの戦略目標をクリックすると、これまでの推移が表示されます。ゴール指標の黄色は、これまでの赤色が徐々に良くなって黄色になって上り調子のものなのか? それとも、これまでの赤色が徐々に悪くなって黄色になって下り調子のものなのか?日次、週次、月次、四半期と期間を指定し確認することができます。

また、スコアカードの各視点のゴール指標や日課指標のそれぞれの目標値や実績値を、月別、四半期別に確認することもできます。さらに、その実績値をクリックすると、それぞれの実施値の明細、さらに、その実績値の明細をクリックすると、商談情報、顧客情報、面談者情報、案件情報、クレーム情報、業務情報など、その実績値のIT日報の情報にジャンプしてくれます。

このように、自ら取り組みを宣言したスコアカードのゴール指標や日課指標の実施状況を、毎朝必ず立ち上げる視聴率100%のグループウェアに埋め込み現場の戦略の実施状況を「見せる化」することで、現場担当者への戦略実行に対する意識付けとなります。

さらに、赤色や黄色で示されたスコアカードのゴール指標や日課指標の実績値と、そのベースとなった現場に具体的な情報をシームレスに連携することで、問題を究明するための環境(自らの意思で原因を探す=経営の「見る化」)を提供します。

経営の「見える化」とは、まず問題がパッと一目でわかるように、現状を「見せる化」(受動的)することと、問題解決のヒントとなる現状の「見る化」(能動的)の2つがスムーズに行えることが必要になります。