こんにちは、“経営の見える化”エバンジェリストの本道です。
前回は、スコアカードを作成する際にどうしても欠かせない思考手順をご紹介しました。
しつこいようですが、ポイントなのでもう少しこの思考手順についてお話したいと思います。
❖目標があるから問題意識が芽生える。
経営の見える化の基本は、全社員が問題意識を持つということです。
問題意識とは、トラブルが発生した、事故が起きた、不良品が出たといったことが起こる前に、問題が生じる可能性を感じとる力です。
目に見えない問題は、その所在に気づきにくく、見落としたり、見過ごしたりする場合が多いものです。
がん細胞のように、気づいたときには手遅れということも少なくありません。
問題意識を持つということは、明確な目標を持って現状とのギャップを認識することでもあります。
逆に言えば、目標を設定するから問題意識が芽生えるのです。
目標の無い取り組みからは、問題意識は生まれてきませんし、現状に満足している人からは、問題意識は生まれてきません。
経営の見える化では、目に見えない問題、見えにくい問題に日課指標やゴール指標等目標値を設定して、日々状況を補足しながら対処していこうとします。
❖経営の見える化の運用に欠かせない論理思考。
下図のように、一般的に問題は、「目標―現在」で表わすことができます。
経営の見える化では、「(日課指標やゴール指標の目標値)」-「(日課指標やゴール指標の実績値)」となります。目標値と実績値の差を出すのですから、それぞれの単位は揃えておく必要があります。
目標値と現在の差である問題が認識できたら、次はその問題を引き起こしている原因を究明します。
原因と思われるものをいくつか洗い出し、その原因を前回のブログで説明したように、「なぜ?」の繰り返しで深堀していきます。
そして、真の原因(真因)が特定できれば、課題が見えてくるはずです。
課題が見えてくれば「どのようにして?」と、繰り返しながら、また「それだけでOKか?」と自問自答しながら、
その課題に対する改善策を捻り出します。
このように、問題を構造化して課題解決していく思考が、経営の見える化には必要であり、
この流れを理解して可視化経営を運用していくことが成功の秘訣となります。
著作紹介
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著 者:本道純一
発行所:実務教育出版図解ビジュアル 経営の「見える化」