≪事例研究≫日雑卸売業H社の場合~Step4 スコアカードを作成する(その1)2011年07月19日

こんにちは、“経営の見える化”エバンジェリストの本道です。

前回でようやく戦術マップ=年度方針の『図』が完成しました。

これは、課題解決するときの方程式と通じるところがあります。

課題解決には、 課題解決=何を(What)×どのように(How)の2つの要素を検討する必要があります。
検討の順番は、何を(What)を明確にして、どのように(How)を決めて行きます。
これと同じように、戦略=戦術マップ×スコアカードという方程式が成り立ちます。
丁度戦術マップという『図』が、何を(What)に該当します。
そして、これから説明するスコアカードという『表』が、
どのように(How)という具体的な行動を指し示すものとなります。

H社のプロジェクトメンバーにスコアカードの考え方を説明する際に、
プロ野球の楽天ゴールデンイーグルスを例にとって説明しましたので、
球団経営者になったつもりで以下の説明を確認してください。



顧客の視点の戦術マップの内容(戦略目標と言います)である『リーグ優勝』するための方法を考えてみます。
たとえば、「田中将大投手の大活躍」、「山崎選手の大活躍」、「岩隈投手の大活躍」、
「松井稼頭央選手の大活躍」など、いくつか要因があると思います。
(楽天ファン以外の方すみません。マニアックな話で…)

その中で戦略目標を実現方法として最も可能性のある方法をゴール指標(KGI:Key Goal Indicator))とします。ここでは、「田中将大投手の大活躍(以下、マー君の大活躍という。)」、をゴール指標とします。
さて、あなたは、「マー君が大活躍」して、楽天の今シーズンのリーグ優勝の二文字がイメージできますか?

ばっちりイメージできれば、OKですし、イメージできなければゴール指標として、ふさわしくないということなので、再検討しなければなりません。

ところで「マー君の大活躍」と一口に言っても、どの程度の活躍であれば大活躍と言えるのでしょうか。
活躍といった曖昧な言葉を評価するのは、難しいですから、
活躍を評価するための数値目標指標を数値化しておく必要があります。

顧客の視点の「マー君の大活躍」の数値目標として、勝ち星、セーブ数、勝率、防御率、投球回数などいろいろ考えられます。

ここでは、マー君の評価指標を、「勝ち星」としました。さらに、「勝ち星」がいくつであれば、大活躍と判断するかを決定します。

1シーズンで「16勝以上すれば大活躍、11勝から15勝であればマアマアの活躍、10勝以下であれば活躍せず」と設定しました。

評価指標を数値化することにより、評価の客観性が増してきます。


マー君がシーズン16勝以上の勝ち星をあげれば、戦術マップの顧客の視点の戦略目標であるリーグ優勝できるはずと仮説しました。

この調子で、業務プロセスの視点と人材と変革の視点の戦略目標を実現するための具体的なゴール指標を設定します。

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