≪事例研究≫日雑卸売業H社の場合~Step2 20年後の将来ビジョンを描く(その3)2011年05月17日

こんにちは、
経営の見える化エバンジェリストの本道です。

前回は、日雑卸売業H社の6名のプロジェクトメンバーと検討したStep2の20年後の将来ビジョンをご紹介しました。

この20年後の将来ビジョンを作り上げるまで、とても苦労しました。
「20年後の将来ビジョンを考えましょう!!」と、ある日突然に言わても…。
それじゃって、そう簡単に出てくるモノじゃないですよね。
常に将来を考えている経営者だって、そうスラスラと出てきません。
ましてや目の前の仕事に追われているプレーイングマネジャなら尚更です。
そんなこと考えたこともない人に、20年後の会社のあるべき姿を聞いても、即答できるわけありません。

そこで、まず手始めにプロジェクトに参加した6名の個々人のこれからの人生設計を描いてもらうところから始めました。
自分自身のことですから会社の将来を考えるよりも、比較的気軽に検討することができます。
まずは、これら先に向かってやりたいこと、ほしいもの、実現したいことなどを、『 人生目標設定シート 』に書き出します。


そして、これを『 ライフカレンダー 』に落とし込みます。



このライフカレンダーには、今年から向こう30年の日付が入っています。
『 人生目標設定シート 』に書き出した『夢』に期限を設けることで『目標』とします。

『 ライフカレンダー 』の目標を実現するには、どれもこれも少なからずとも「お金」かかりませんか?
この「お金」の面を考えただけでも、会社と個人を切り離すことができないことがわかります。

要するに社員の夢が実現して幸福になるためには、その会社を良くならなければなりません。
逆に会社の評価を高めるためには、そこで働く社員が良い仕事で高い評価を得なければならないのです。
会社を良くすることが自分のためであり、自分の成長が会社の成長につながるという関係性を理解する必要があります。

「会社は会社、自分は自分であり、会社と個人は別物」と考える人が一般的かもしれません。
しかし実は、そうではないのです。
会社と個人の関係は、一生切り離せない一心同体といえるほど密接なつながりを持っているのです。
このことを認識することが、会社の将来ビジョンを検討するときに重要となります。
まずは、この点の理解が会社の20年後のビジョンを考えるための第一歩となるのです。

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