≪事例研究≫日雑卸売業H社の場合~Step2 20年後の将来ビジョンを描く(その1)2011年04月26日

こんにちは、
経営の見える化エバンジェリストの本道です。

プロジェクトメンバーで経営理念を共有したら、Step2の20年後の将来ビジョンを描いてみよう。
ビジョンとは、経営理念実現のための目標という位置づけだ。


経営には、「何のために、なぜするのか」という目的である経営理念と、「いつまでに、何を、どうする」という目標であるビジョンが必要だ。

そしてビジョンの構成要素は、以下の4つから成り立っている。

①ありたい姿(be)…こうなりたい、こうありたいという状態を表わす。
②なすべき事(do)…ありたい姿実現のための代償として、犠牲にしてもかまわないこと。
③ダントツを持つ(have)…そして、そのために顧客に提供できる価値(製品やサービスやスキル、ブランド、信用など)を身につけることだ。

  そして、これだけで終わってしまっては、単なる『夢物語』だ。
①から③の夢に④期限をつけることで、『目標』とするのだ。

たとえば、石川遼選手のビジョンを例に示して見ると、
①若者にスポーツを通して夢と希望を与えるために…ありたい姿(be)
②マスターズのグリーンジャケットに袖を通す…なすべき事(do)
③曲がらないドライバーショットと冷静な判断力を身につけます…ダントツを持つ(have)
④5年以内…期限
と、まぁ~こんな感じかもしれない。

ビジョンとは、社内外に示すコミットメント(公約)でもある。
ビジョンは、ハムエッグにおける『豚』だといわれる。
なぜなら『ニワトリ』は、ハムエッグにおいて卵を差し出しているだけだ。
しかし『豚』は、ハムエッグにおいて自分自身の命を差し出している。
要するにビジョンは、豚にとってのハムエッグのハムに値する位に、命がけの取り組みだということだ。

くれぐれもビジョンが、軽率な美辞麗句のスローガンにならぬよう注意が必要だ。

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