≪事例研究≫日雑卸売業H社の場合~事業概要2011年04月12日

おはようございます、
経営の見える化エバンジェリストの本道です。

今回から事例企業の営業戦略の具体化を例に挙げながら、
経営の見える化のフレームワークである可視化経営の7ステップを解説します。
時々脱線するかもしれませんが、お付き合いください。

今回は、H社の概要を中心に説明します。
H社の企業概要は以下の通りです。


❖小売店にワンストップ対応するために徐々に品揃え(仕入先)を増やし業績を拡大してきた。
❖取引先は、大小併せて数100社。ここ数年、手間の割に売上鈍化。
❖3年前に現在の主要取引先であるホームセンター、ドラッグストア、スーパーセンター、
  ディスカウントストアなどを中心とした約50社に得意先を絞り込んだ。
❖市場は、顧客ニーズの変化による業態化、大手メーカーの取引先選別が更に拍車。
❖大手小売店は、メーカーとの直取引(卸の中抜き)、メーカーとのPB(プライベートブランド)商品化を推進。


H社の抱える課題(社長ヒアリングの一部を抜粋)
❖従来型の御用聞き営業スタイルからの脱却し、業務効率を上げる。
❖リテールサポート力の充実により、顧客から更なる信頼を勝ち得る。
❖顧客価値創造型の提案営業が組織的に行える企業に変革する。



※顧客価値創造型の営業スタイルの位置づけ
縦軸は、顧客ニーズが多様化していることを表わしています。
横軸は、多様化した顧客ニーズ一件一件の内容が高度化していることを表わしています。

私が30年前にシャープで家電営業をしていたころは、行動重視型でした。頑張れば売れた時代です。
それからだんだんとお客様のニーズが多様化して、御用聞き営業、何が必要ですか?
何かお困りはありませんか?と、自分の担当店や本部のバイヤーに御用聞きをして回る時代がありました。
そして、人口減少によるマーケット縮小、過疎化、中心市街地の空洞化(ドーナツ現象)、規制緩和によるロードサイドの大型店の新出など市場環境の変化により、営業スタイルもそれまでの個人戦から組織戦へとシフトして行きました。
そして、顧客ニーズにあった提案を組織的に行うようになりました。
これからは、メーカーとのネットワークを生かしてPB製品の提案、開発により他社にない差別化することが顧客価値創造型の営業スタイルと位置付けています。

それでは、次週から可視化経営のステップで実際に戦略策定を進めて行きましょう。

著作紹介