可視化経営とは、経営理念実行ツールなり2010年03月16日

冷蔵庫が故障した。

歴代、我が家の冷蔵庫は、数年でチェンジの運命にある。
メーカーをいろいろ変えてみたが、どれも短命なのだ。
今回は、4年間の短いお付き合いだった。
コンサルタントとしては、一度じっくりと故障原因を調査してみたい気もするが、
自宅でコンサルマインドを振りかざしても如何なものかと自重した。

気を取り直して、インターネットで最近の製品情報を確認する。
目の前で冷えなくなっているM社とその前に購入したS社の冷蔵庫を避けて、
パナソニックのホームページへ

ん~、何だこりゃ。
一瞬間違ったサイトへアクセスしたかと思った。
そこには、「今一度、心からのお願いです。24年~18年目のナショナルFF式石油暖房機を探しています。」
という告知。

パナソニックのトップページは、5年前に死亡事故を起こした石油ストーブのリコール製品の回収を求めるものだった。

いつからトップページで告知しているか知らないが、さすがパナソニック。
パナソニックの経営理念は、
「私たちの使命は、生産・販売活動を通じて社会生活の改善と向上を図り、
世界文化の進展に寄与すること」である。

そうだ、今リコールで渦中にあるトヨタやホンダのホームページは、どうだろうか?
冷蔵庫の検索を一次中断して、いざトヨタのホームへ

あった!!
「このたびは、複数の地域、複数のモデルでリコールを実施することとなり、
皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心からお詫び申し上げます。」

トップページの一番上に…さすが、トヨタさん~~と思いきや。
あれ・れ・れ・れ…
トップページの北米国際オートショーやトヨタ原体験プログラムなどのイベントのバナーと リコール情報が同格で扱われている。各バナーを選ぶとリコールトップが消える。
これには、少々ガッカリ。

果たしてトヨタのホームページのリコール告知は、いつまで続くのだろうか?
リコール対象の最後の1台が修理完了するまで、パナソニックのように告知し続けるだろうか。
「定期的にチェックしようっ」と、考えている意地悪な私でした。

さらに、ホンダのホームページは、どうかな?
あれ、いつもと変わらないトップページのような気がする。
リコール情報は、クルマのカテゴリの中古車の下にひっそりとあった。

今回のトヨタのリコールは、世界で444万台、
それに比べホンダは、43万台。トヨタに比べれば、10分の1のリコール台数だから扱いが小さいのか?
いや、そのような台数の多寡では、ないだろう。

ホンダの社是は、
「わたしたちは、地球的な視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、
質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。」である。

このように多くの企業が、経営理念を高らかに掲げ経営を行っている。

私が声高に進める可視化経営の第一ステップは、
「経営理念と使命を再確認する」である。

経営を進めるには、企業の目的や理想、価値観、拠り所としての経営理念が必要で、
その経営理念や使命を現場の一従業員まで浸透させることである。
これは、言うは易く行うに難しである。

そして、その一端を消費者が実感するのは、
リコールやクレームなどの不具合が生じた後の誠実な対応なのかもしれない。

ホームページでの取り扱い方で、企業姿勢を垣間見たような気がした。

かくして、我が家の次の冷蔵庫は、パナソニックのエコナビに決定した。