中小企業の落とし穴を回避!
「日常マネジメント」と「戦略マネジメント」を両輪で回すDX活用法
2025年10月31日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

多くの中小企業が陥りがちな「罠」があります。
それは、日々発生する膨大な日常的な現場活動(作業)に追われ、組織として本当に重要なビジョンや、それを展開した中期経営計画、さらには年度計画といった戦略的な取り組みがおざなりになってしまうことです。



これは、まさに「本末転倒」と言えます。

では、この罠に陥らず、組織として着実に成果を上げていくためにはどうすればよいのでしょうか。

➡鍵は「日常」と「戦略」の2軸管理
結論から言えば、組織の取り組みを、「日常マネジメント」と「戦略マネジメント」の2軸で捉え、両方をバランスよく管理することです。
どちらか片方だけでは不十分で、まさに「車の両輪」のように両方を回していく必要があります。



※縦軸:ビジョンや経営方針から展開される「戦略マネジメント」
※横軸:部署のミッションから日々の業務に落とし込まれる「日常マネジメント」

❖日常マネジメント:DXで「効率UP」を目指す
まず、日々発生する「日常的な現場活動」です。
これらは「日常マネジメント」として、「いつまでに、何を、どの優先順位で実施するか」という期限管理(TODO管理)を徹底する必要があります。
そして、この領域は極力DXを活用し、徹底的に効率化(効率UP)を目指すべきです。IT(仕掛け)を活用してシクミを効率良く運用することは、現代のビジネス環境において必然と言えます。

※ただし、注意点もあります。
例えば、SFA(営業支援システム)を導入しても、それが単なる日常活動の記録、すなわち「デジタル日記帳」と化してしまっては、本来の目的を達成できません。
❖戦略マネジメント:DXで「仮説・検証」を回す
一方で、ビジョンや計画に基づいた「戦略的な現場活動」は、「戦略マネジメント」として管理しなければなりません。

※ここでの管理手法は、日常マネジメントのTODO管理とは根本的に異なります。
戦略とは、いわば「仮説」です。したがって、マネジメントの目的は「作業を終わらせること」ではなく、「立てた戦略(仮説)が正しかったかを検証すること」になります。
そのために必要なのが、KPI(重要業績評価指標:日課指標)とKGI(重要目標達成指標:ゴール指標)による管理です。

営業戦略(Plan=仮説)を策定したら、それを実行(Do)し、そのプロセスをKPIで、最終的な成果をKGIで評価(Check)し、改善(Action)につなげるというPDCAサイクル(仮説・検証サイクル)を回すことが求められます。



※結論:DXは「両輪」を回すために活用する

私たちが本当に目指すべきなのは、以下の両方を実現することです。
1.日常的な現場活動(日常マネジメント):DXを活用して効率化し、生産性の分母であるINPUT(効率UP)を改善する。
2.戦略的な現場活動(戦略マネジメント):DXを活用して「仮説・検証」のモニタリングを迅速化し、生産性の分子であるOUTPUT(効果UP)を高める。

DX(可視化経営システム)は、日常業務の効率化(デジタル日記帳)のためだけに使うのではなく、むしろ戦略的な取り組みを可視化し、その実施・検証を効率よく行うためにこそ活用すべきです。
それこそが、「仮説-実施-検証の管理サイクルを高速回転させる」スピード経営であり、営業生産性を本当に向上させる可視化経営の取り組みと言えます。

日常業務に追われる「罠」から脱却し、ビジョンを実現するために、「日常」と「戦略」の両輪を、DXの力で力強く回していくことが今、求められています。


著作紹介

  • 「可視化」、あるいは「見える化」というキーワードが取りざたされている昨今ですが、一般的には、製造現場でのヌケ・モレ防止策であったり、データをただ単にグラフ化し、わかりやすく …

    可視化経営

  • 可視化経営を実践するためには、経営理念、事業ドメイン、ビジョン構築、戦略の導出とその具体化、評価のためのIT活用など幅広いテーマの取り組み …

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