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営業の見える化

結果オーライがオーライにならなくなったら?(第2回)

 「売ってナンボ」「数字がすべて」と言うが本当だろうか。確かに売れないより売れた方がいい。数字は低いより高い方がいい。だが、その売上が顧客への押し込みであったり、過度な値引きによる一時的な数字のマジックであったとしたら、どうだろうか。それがすべてと言えるのか?「売ればいいんだろ、売れば」とか「数字が行けば文句はないだろ」と威勢よく言っていられたのは、マーケット拡大の高度成長の恩恵だっただけではないのか。その証拠に、バブル崩壊後すでに二十年ほど、どこの企業でも営業部門が苦しんでいる。「結果オーライ」にならなくなってきたのだ。
 「売ってナンボ」や「数字がすべて」というのは、途中段階はどうであれ、時にはサボったりしていても、最後には結果を出して辻褄を合わせる「結果オーライ」を善しとする考え方である。確かに、ずっと「結果オーライ」にし続けてくれるのであれば、それもいいだろう。期の途中で数字が凹んでいても、月の半ばで売上が足りなくても、最後には目標達成してくれるのであれば、大目に見る。これが高度成長期からバブル崩壊あたりまでは多くの企業で可能だった。多少凹んでも、マーケット自体が右肩上がりに拡大しているのだから、そのうち前年対比をクリアし、数字も伸びた。だから「結果オーライ」で何とかなった。結果として、オーライになることが多かったからだ。
 しかし、バブル崩壊後のデフレ局面では、なかなか結果がオーライにならない企業が増えた。二十一世紀に入って人口減少の影響が顕著になってくるとますます結果がオーライにならない企業が増えた。そうしたら「頑張っているけど、景気が・・・」とか「これだけ顧客が渋いとね・・・」とか言い出して、「売ってナンボ」「数字がすべて」と豪語していたはずの人たちが言い訳を始めた。結果がオーライにならないのであればプロセスにメスを入れるしかない。営業の見える化だ。「見える化に抵抗するなら結果を出せ」と言えば抵抗できまい。
 そもそも、こちらの意のままにならない顧客相手の営業で、「結果オーライ」を許していてはいけなかったのだ。営業の仕事は、どんなに頑張っていても結果に結び付かないことがある。逆に、少々手を抜いていても出会い頭受注や棚ボタ売上があって結果が出ることがある。コツコツ頑張っていたのに失注した営業マンは「営業の仕方が悪い」と叱られて「コツコツ頑張るな」というメッセージを受け取る。手抜き仕事をしていたのにたまたま受注した営業マンは「よくやった」と褒められて「営業は手抜きで楽をするものだ」というメッセージを受け取る。営業マンは一体どうすればいいのか?と混乱する。これでは、不規則な電気刺激を与えられた動物が身動きとれず、無気力となるように、営業マンの心が蝕まれていく。
 頑張ってコツコツやっても売れないこともあるから、無理に頑張らない。意のままにならない顧客によって運命が決められるのだから、「結果オーライ」をひたすら祈る。そしてここ二十年は結果オーライにならないことが多いから、いつも叱られ、いつも不完全燃焼で、心が弱ってくる。「売ってナンボ」「数字がすべて」という言葉が、かつては自信の現れだったのに、今ではやってもムダだという諦めの言葉になっている。心が折れているのだ。これではいけない。営業の見える化を進めて、営業プロセスや売るためのストーリーを可視化し、結果がすべてではなく、結果の原因をつかんで改善し続けることが大切なのだということを営業部門に浸透させることが重要である。

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