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長尾一洋の可視化経営論

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正解のない時代を勝ち抜く可視化経営とは

 2005年には人口減少が始まり、多くの業界でマーケット縮小が起こってきている。統計上の景気は拡大しているとは言え、外需依存で国内販売、国内市場は頭打ちといった業界が多い。私が1500社の営業改革を見てきて断言できることは、従来と同じことをやっていたのでは、これからの人口減少時代を勝ち抜くことはできないということだ。

道なき道を進むには可視化が必要

可視化経営

 これまでの企業経営は、米国の後追い、先進企業の物真似、同業他社との横並びでも何とかやって来ることができた。マーケットが拡大してきたからだ。拡大期には競合他社に負けなければ自社も伸びることができたのだが、マーケット縮小期にはそうはいかない。他社に勝たなければ自社の成長はあり得ないことになる。そしてこのマーケット縮小が景気循環による一時的なものであれば耐え忍べば良いのだが、人口減少という回復の目途の立たない構造問題に起因するものである以上、逃れることはできない。そしてこの人口減少の先進国は日本である。これまでお手本だった米国は未だに高い出生率を維持し、人口増加が続いていて、人口減少時代には参考にならない。
 米国も参考にならない、先進企業の真似をするだけでは勝てない、となると自社独自の戦略を立て、「正解」のない道を進んでいかなければならない。そこには地図もなく、方位を示すコンパスもなく、足下を照らすランプもない。進むべき道筋が示され、目標が明確になれば、日本企業はそこに向けて突き進むことができた。しかし自分で進むべき道を探し、自ら道を切り拓いていかなければならないとなると、途端に立ち往生することになりはしないか。そこで必要となるのが「可視化経営」である。

戦略を「仮説」として仮説検証し続ける

 前人未到の地を進むためには、まず地図が必要となる。しかし誰もそこに入った経験はないのだから既成の地図はない。自社独自の地図を作るところから始める。これが「戦略マップ」だ。ただし、この地図は「仮説」であって、正しいかどうかは分からない。現時点で想定できる範囲で書いた「仮説マップ」である。とりあえず地図が出来たら、進むべきルートを決める。これも仮説である。そして現在地を確かめる。地図があって、進むべき道筋が分かっても、今どこにいるのかが分からなければ正しい判断ができない。
 ただし、この地図は仮説だから、間違っているかもしれないし、環境の変化によって進むルートを変えなければならないかもしれない。したがって、進みながら地図とルートを見直し、誤差を修正しながら進む必要がある。これができるのは、地図とルートと現在地が可視化されているからである。見えているから検証できる。これで「仮説検証スパイラル」を高速回転させることが可能になる。今までは、戦略を立てたら、ほぼそれは正解だと確信できたので、3年とか1年というスパンで検証すれば良かったが、これからは違う。そもそも戦略が仮説なのだから、日々検証し、本当にその戦略で正しいのか、本当にこのルートで間違っていないのかを確かめながら進まなくてはならない。
 正解がなく、手本もない時代には、進むべき道を仮に設定し、手探りで進むことになる。その時に、今どこに居て、どの方角に進むべきなのかを把握する道具(計器)が必要になる。だから可視化経営のことを飛行機の操縦席になぞらえて「コクピット経営」と呼ぶこともある。次回は、可視化の三層構造について解説してみよう。   (次号へ続く)

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