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顧客満足創造の営業改革 実践企業訪問記[4]

「顧客の声」にスピード対応なくてはならない日報システム


株式会社三井不動産ホテルマネジメント 〔社長 田辺 宏氏〕

 「快適・快眠をテーマとし、都市空間の憩いの場を提供する」を全社共通のコンセプトに、日本国内で15のホテルを運営する株式会社三井不動産ホテルマネジメントは、三井不動産グループの一翼を担うべく1981年に設立された。ホテルとしての本来あるべき姿、CS(顧客満足)を実現するため四半世紀に渡り日々業務改善に努め、ビジネスパーソンにとってのワンランク上のホテルを目指してきたのである。営業支援システムの導入によって、営業がどのように変わったのか、田辺宏社長にお話を伺った。


▲田辺 宏社長
■最初は導入を嫌がった営業社員

長尾− 社長自ら、お客様の声を毎日チェックされていると伺っておりますが。

田辺− そうなんですよ。ホームページにご意見・ご要望フォームというのがありまして、そこから毎日、私にダイレクトに届くようになっているんです。更にIT日報の「顧客の声」ですね。朝来たら、まず、これをチェックします。全国のお客様からの直接の声を15分から1時間近くかけて丹念に読み、緊急を要するものはすぐに担当者に連絡を取って対応します。部屋に備え付けのアンケート用紙からの要望も毎日相当数あります。有難いことです。

長尾− そんな中からお客様にとって本当に必要なサービスが生まれてくるんですね。

田辺− 宿泊やお食事等のお客様の生の声ももちろん大切なのですが、弊社にとっては、各地の営業社員がどのような商談をしているかがリアルタイムにわかるIT日報の「顧客の声」は、宴会・会議・イベント等のお客様のクレームや要望を早めにつかみ、クレーム度の大きいものに対してはダイレクトに指示を出すことができるので重宝しています。しかも担当者と私のやり取りは全社員が共有できるのです。こうしたナレッジの共有が、さまざまなタイプのお客様へのCS度を高めることにつながっているんです。

長尾− ある程度使いこなしていくと、必要だと理解してもらえるのですが、導入当初は抵抗があったのではないですか。

田辺− ええ、うちも営業社員がまず嫌がりましたね。自分の書いた日報を他の者にも読まれるわけだから、文言選びに時間をかけるような者もいたんです。だけど、慣れるに従って、他の営業社員の商談履歴を参考に、自分の商談に活かそうとする者が増えてきました。現在では、宴会・イベント・宿泊担当の営業社員の間でお互いに書き込みを行なっていたり、販売促進担当の日報に全国から励ましやアドバイスが記入されたりと、こうやれと指示しなくても自分たちで工夫して使うようになってきています。システムが止まったりすると、他の者の動きがわからないし、自分もどう動いたらいいのかわからないのでパニック状態です(笑)。日報に不満を言っていたのが嘘のようです。

■営業日報から生まれたアイデア

長尾− 現在、ホテルでの取り組みで重要視されているものはなんでしょうか。


▲枕の中身が5つに分かれている
 オリジナル仕様の「快眠枕」
田辺− はい、今は快眠と快食にこだわっていますね。快眠を追及するのだったら枕を改善するしかないだろう。それだったら、専門メーカーと共同で開発しようということになり、オリジナル枕が完成しました。中身の偏りを防ぐために五つのユニットに分け、高さと固め・柔らかめが選べる二層式を採用しました。枕がかわると眠れないお客様に喜ばれていますね。快食については、朝食にこだわっています。長野のそばの実粥、京都のおばんざい、熊本のだご汁など、ホテルごとに地元の味を取り入れているのです。これらのアイデアは、お互いの日報を読んでいた営業社員の中から出てきたものなんですよ。

長尾− そういったお話を伺うと嬉しくなりますね。今後、さらにこの営業システムを進化させていかれることでしょうね。

田辺− これからは販売促進担当にPDAを持ってもらって、お客様先で顧客情報を確認したり、宿泊・宴会の空き状況を確認し、予約したりすることを考えています。さらにその場で見積もりもできたりすると尚いい。それから・・・。

長尾− どんどん営業活動が進化していきそうですね。楽しみです。田辺社長、本日はお忙しいところありがとうございました。
〔前号を見る〕
◆長尾一洋プロフィールはこちら 〔◆株式会社三井不動産ホテルマネジメント〕