ある会社の基盤戦略の中計マップ(抜粋:具体化編)③2018年1月31日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

年末年始バタバタしていて、ブログのUPも久し振りとなりました。
早いもので、2018年もアッと言う間に1か月過ぎてしまいました。

このブログでは、昨年末から生産財の卸売り企業を事例にして、中計策定の手順をお話してきました。

まず3年後のありたい姿を宣言するためのWhereを決める必要があることを、お伝えしました。
Whereという場所を明確にするためには、住所のように誰でもわかる基準が必要です。
中計の方向性を検討するには、この基準として誰に、何をという基準で考えると良いと、前回お話ししました。
➡この「誰に、何を」という軸を決めることを、「セグメンテーション(S)」と言います。
そして、このセグメントした領域のどの部分を、これから3年間で組織的に攻めて行くのかを明確にして行きます。
➡この「どの部分」という部分の決定を、「ターゲットティング(T)」と言います。
ここまでが、昨年末の話でしたね。



要するに、上図のどの領域の中期戦略を検討するかを宣言するということです。
さらに、ターゲット顧客ニーズを、洗い出してみましょう。
洗い出したターゲット顧客のニーズの全てをワンストップすることができれば問題ありませんが、
ターゲット顧客のニーズは、ますます多様化し高度化しています。

自社として、
ターゲット顧客の多様化したニーズの何に対応して行くのか明確にしないと、
顧客ニーズのあれもこれもと欲張って、どの顧客ニーズにも中途半端になって、
結果の出ない羽目になってしまうのは想像に難いところです。
➡売れないラーメン屋で、やたらとメニューが多いが、どれもパッとしない感じは、拙いでしょ…

顧客ニーズを洗い出したら、
つぎに自社としてどの顧客ニーズに対応することで顧客を取り込んでいくのかを決定します。
もし競合他社も同様にターゲット顧客のニーズ洗い出を、外部に調査依頼していたとしたら、ターゲット顧客のニーズは、同じになります。
➡これを、「顧客ニーズの選択」と言います。
しかし、どの顧客ニーズに対応して行くかは、各社違う可能性があります。
➡ここが大げさに言うと、「運命」の分かれ道です。
この「運命」の分かれ道でもある「顧客ニーズの選択」を感覚で決定するわけには行きません。

以下の2つのいずれか、あるいは両方で決定するのが一般的です
①経営資源アプローチ:「自社の強み」が、選択した顧客ニーズにヒットする
➡顧客ニーズに自社の明確な強み(競合他社との差別化)が活かせなければ、勝ち抜くことが出来ませんので…
②ポジショニングアプローチ:選択した顧客ニーズで、ターゲット市場が活況を呈している あるいは、これから3年程度の活況が見込める
➡自社としての明確な強みが存在しなくても、ターゲット市場全体が成長しているのですから少々のおこぼれが期待できます。要するに、ブームに乗って一稼ぎのイメ―ジです。
注)中計には、②ありきでの検討は、ほとんどありません。
③①と②が重複している

要するに、
選択した顧客ニーズと自社の強みが、マッチするかを確認し、その範囲(ホームゲーム)で、勝負しないと競合退社との差別化には、ならない=勝てないということです。
➡競合他社との差別化を明確にするような強みを活かした「ポジショニング」を定義することです

まとめると、
ターゲット顧客のニーズ選択と自社の強みによる他社との差別化が中計の方向性を考える際のスタートとなります。

『参考』 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/STPマーケティング
※STPマーケティングの3つの切り口となります。
セグメンテーション➡ターゲッティング➡ポジショニング