Step9:「モニタリング環境構築」~その2~2016年7月19日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

当社定常コースである「業務改革研修」のグループによるワークショップを、数回に分けて解説しています。



今回が、業務改革研修の解説の最終回です。
「第1のS:業務改革のための戦略的ストーリーの見える化、第2のS:シクミ(業務プロセス)の見える化、第3のS:仕掛け(システム)の見える化」という『3つのS』で、業務改革を進めてきました。
この業務改革活動に関しての取り組み度合いを評価制度と連携させる際のポイントを、考えて行きたいと思います。

①評価尺度は、業務改革の結果とその結果をもたらすためのプロセスの両面を評価すること
➡業務改革を実践するプロセスが、期待した成果をもたらすかどうかわからない場合があるため、
 業務改革の試行錯誤事態を評価するためプロセス評価を考慮する必要があります。

②評価は、評価者の主観を排除すること
➡すなわち、あらかじめ評価尺度、評価基準が公開され、客観的な評価が可能なこと
 ※そのためにも、ゴール指標や日課指標を数値化してきた訳ですから。

③組織的な業務改革の取り組みは、個々人にとってもチャレンジャブルな取り組みであること
➡組織的な業務改革は、個々人の属人的な業務の改善に留まるものでなく、チーム、プロジェクト、
 課、部など組織的に業務改革にかかわるものである。
 業務改革の達成度合いを評価するためのゴール指標は、これら組織としての目標値であれば良いが、
 業務改革を実行するための行動指標となる日課指標は、個々人に展開されている必要がある
 ※評価制度では、日課指標を個々人の実行度合い、ゴール指標を、関わる組織としての達成度合いで
 測定する場合が多い。

業務改革のための戦略マップ※1に関して、スコアカード※2を作成して、


※1業務改革のための戦略マップ
➡業務改革は、顧客のために行うものであり、
  戦略マップの取り組みが財務の視点
(売上アップやコストダウン)に、
結びつくものでしたよね。



※2戦略マップをスコアカードに展開
(ゴール指標と日課指標に落ち仕込む)

例えば、部全体として業務改革に取り組んだ場合、
戦略マップの4つの視点それぞれの評価ウェイトを、以下のように役職ごとに考慮します。



部長は、結果指標である財務の視点の評価ウェイトが大きく、課長は、実務のマネジメントを中心とした業務プロセスの視点の評価ウェイトが大きくないります。若手(担当)は、スキルアップを中核とした人材と変革の視点の評価ウェイトを高めてあります。

また、ゴール指標と日課指標の評価ウェイトを、以下のように役職ごとに考慮します。



これは、より高い役職として結果を求められることになり、結果指標の評価ウェイトが高くなります。一方で、現場の活動の中核となる若手(担当)は、活動指標である日課指標の評価ウェイトが高くなります。
このようにして、評価制度を設計して行きます。

評価制度が、単に自己申告した個人目標の評価や会社があらかじめ設定した課業の取り組み度合いを評価することだけで済まさぬ様に、組織として戦略や業務改革の実践に対して、組織的に評価するシクミ(制度)と仕掛け(ITシステムによる見える化)で、組織風土を造り上げて行く必要があります。

長きにわたり、「業務改革研修」のグループによるワークショップに、お付き合いいただき、ありがとうございました。
次回からは、可視化経営による中期経営計画策定について解説して行きたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。