「業務改革研修」のワークについて②2016年1月25日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

昨年末から、「業務改革研修」というオープン型の研修の中のワークを具体的に解説しています。



❖業務改革とは、
これまで一定の成果を出して来た自社の製品やサービスに対して、市場環境の変化に対応したストーリーを策定して
⇒第1のS:戦略ストーリー(戦略マップによる戦略の見える化)
ストーリーを現場で徹底するための業務プロセスの具体化を行い
⇒第2のS:シクミ(業務プロセスの標準化)
業務プロセスを効率良く行うための取組み
⇒第3のS:仕掛け(ITシステム活用による改善活動)を行うことでしたね。
業務改革は、この3つのSを以下の9つのStepで取り組むことです。



前回のStep1の顧客ニーズの選択では、誰に何を提供するために業務改革を行うのかを明確にしました。
この顧客は、社外顧客の場合もあれば、社内の他部門を顧客とみなして、業務改革を行う場合もあります。
このターゲット顧客のニーズを、洗い出します。
さあ、いつものカード型BS法で、ターゲット顧客のニーズをサラサラッと洗い出して見ましょう。
当社が、洗い出した顧客ニーズに対しを満足させることが出来るのであれば、ビジネスチャンスが今以上に拡大するはずです。
しかし、ターゲット顧客のニーズすべてに、ジャストミートすることは、顧客ニーズが多様化し高度化している中では、至難の業です。
そこで、当社として多様化し高度化する顧客ニーズのどれに、どこに、焦点をあてて行くのかを、明確にする必要があります。
これが、顧客ニーズの選択というStep1のゴールになります。
戦略とは、「選択と集中である」や「捨てることである」という言葉を耳にしませんか?
組織的な取り組みである業務改革も、まったく同じです。
業務改革は、「選択と集中」です。
何を選択するかというと、先にあげたように「顧客ニーズの選択」ということになります。
どの顧客にも良い顔するような取り組みでなく、自社が満を侍して選択した顧客に対して、「深く、強く、末永くお付き合いして行こう」ということです。
そして、もうひとつの集中とは、限りある自社の経営資源を組織的な取り組みのどの部分に集中させかを、明確にすることです。
これが、業務改革のStep2の経営資源の集中にあたります。
具体的には、以下の業務(価値連鎖:Value Chain)のどの部分を強化したら、選択したターゲット顧客のニーズを満足させることができるかを特定することになります。


出所:APQC(米国生産性品質センター)ビジネスプロセスを参考に一部加筆修正

さらに、営業部門であると、一般的に以下のようなValue Chain があります。



その中で、特に強化する手順や、これまでの取り組みでボトルネックとなっている手順に集中して見直しを行います。
どの業務が、ボトルネックになっているかを、「ムダ、ムリ、ムラ」の視点で浮き彫りにします。

◆ムダ(需要<供給)=余計や仕事になっていないか?
例えば、話を聞いてくれる新規訪問先や行き易い既存顧客に訪問が偏り、忙しい割に成果に繋がっていないか?




◆ムリ(供給<需要)=目標値が高い、仕事量が多い、仕事の質が悪くないか?
例えば、1人の営業マンが、1日に20件の既存顧客に訪問しつつ新規開拓先にも何度か足を運ぶため、既存顧客を含め1日25件の訪問となり慢性的なパンク状態にないか?


◆ムラ(ムダとムリが複合している状態)=ある人はムダ、ある人はムリという状況にないか?
または、ある期間はムダ、ある期間はムリという状況にないか?

差し詰め戦略の選択と集中が出来ないということは、「例えていうと、売れないラーメン屋」のようです。
売れないと不安なのでメニュー数が、どんどん増えて行きます。
戦略も同じです。成果がでないと、選択した戦略に疑問を持ち、つい違う戦略も選択して、気が付いたら戦略の数(メニュー数)だけが古ラインナップ。ますますこだわりも無いし、特徴も無い、よって成果もしかるべきという具合の悪循環モードに落ちて行きます。
くどい様ですが、戦略的な業務改革を実行するには、この顧客ニーズの選択と自社の業務プロセスのどこに経営資源を集中させるかが、重要なポイントになります。