業務改革のまとめ2015年6月23日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

「今こそ、業務改革!!」というテーマを事例企業で、業務改革の手順を、昨年の9月30日からご紹介して来ました。
3つのSを、解説しながら進めて来ましたので、なんと全17回の事例紹介となりました。
長い間、お付き合いありがとうございます。
一度ここで、業務改革のまとめをしておきたいと思います。

❖業務改革とは、
 これまで一定の成果を出して来た自社の製品やサービスに対して、
・市場環境の変化に対応した戦略を策定して
 ⇒第1のS:戦略ストーリー(戦略マップによる戦略の見える化)
・戦略ストーリーを現場で徹底するための業務プロセスの具体化と
 ⇒第2のS:シクミ(業務プロセスの標準化)
・業務プロセスを効率良く行うための取り組み
 ⇒第3のS:仕掛け(ITシステム活用による業務改善) ということでしたね。



❖くれぐれも注意しなければならないのは、いきなり第3のSであるITシステムを導入さえすれば、たちまち経営の成果(下図の効果)が得られるという、うまい話は無いということです。
ITシステムを導入して上がるのは、せいぜい能率(下図の能率)が上がるくらいです。



求められる経営の成果とは、生産性を上げること。
すなわち、分子のOUTPUTの極大化とINPUTの極小化です。



OUTPUT極大化のためには、第1のSである「戦略ストーリー」と第2のSである「シクミづくり」が先決となります。
その上で、折角OUTPUTの極大化に取り組むのであれば、INPUTの極小化のための第3のSである「仕掛け」、すなわちITシステムの活用という順に進めて行くことになるということです。
ですから、戦略ストーリー(第1のS)やシクミ(第2のS)を考慮しない、仕掛け(第3のS)だけのITシステム活用は、業務合理化はできても、業務改革には、なりません。
ちなみに、『合理化』とは、大辞林によると「無駄を省いて能率化すること」と、あります。
『合理化』が、悪いというのではありません、要するに何を目指すのか、そのために、どのSの検討から進めなければならないのかを、明確にする必要があるということです。

❖忘れないでください。
※業務改革は、戦略ストーリーとシクミと仕掛けの3つのSがセットであること。
⇒業務改革は、戦略や業務プロセスの見直しや変更が伴うこと。
一方、業務改善は、第1のSである「戦略ストーリー」の考慮の無い、業務プロセスの見直しを言います。
さらに、第2のSである「シクミ」の考慮の無い、対処療法的な取り組みを、業務修繕と言います。
修繕は、対処療法的な修理ですので、何度でも壊れます。鞄のチャックが、壊れるように。
くれぐれも、同じミスや非効率は、避けたいもの。そのためにも、業務修繕ではなく、業務改善でもなく、業務改革に着手したいものです。