第2のSのであるシクミの設計2015年3月10日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

「今こそ、業務改革!!」というテーマを、昨年末から事例をベースして、ご紹介しています。 業務改革の設計は、3つのSで行うということでしたね。
今回は、第2のSのであるシクミの設計を、歯科医療機器および歯科材料卸の事例企業を、もとに解説して行きたいと思います。


この第2のSのシクミ(業務プロセス)を設計するためには、以下の4つを検討することでしたね。
①現状の業務プロセスを見える化します

②洗い出した業務プロセスのボトルネックを見える化します

③ボトルネックとなっている業務プロセスを段階的に詳細化します

④第1のS:戦略ストーリーとの整合性を確認します


最初に、①現状の業務プロセスを見える化します
これは、この営業部門が抱えるタスクの外観を、顧客の視点で、図示する取り組みです。
そう、マイケルポーターの価値連鎖のように、自社の取り組みが、最終的には、どのよう顧客に価値をもたらすか。その関係部署や関係する活動を、すべて洗い出して図示してみようというものです。


出所:「競争優位の戦略」M.E.ポーター著 ダイヤモンド社(1985)より編集


この事例企業では、以下のように営業部門のタスクを洗い出しました。





Ⅰ.案件創出プロセス(ターゲット顧客との信頼関係構築から具体的な案件発生まで)
Ⅱ.案件対応プロセス(具体的な案件発生から受注まで)
Ⅲ.アフターフォロープロセス(受注から製品やサービスの納入・設置・運用開始および定着まで)
Ⅳ.情報提供プロセス(既存顧客や定期的な訪問先への定期的な情報提供と情報収集)
Ⅴ.各種イベント対応プロセス(イベントおよび製品やサービスなどの各種情報をターゲット顧客に提供)
Ⅵ.日常対応プロセス(顧客や見込み客からの各種問合せやクレームの対応)
Ⅶ.マネジメントプロセス(担当者のセルフチェックやマネジャーのチェックポイントの標準化)
Ⅷ.部門間コミュニケーション(他部門間とのコミュニケーションの標準化)
Ⅸ.ビジネスパートナーとのコミュニケーション(社外の協力会社とのコミュニケーションの標準化)
Ⅹ.ワークフロー業務(承認を伴う依頼・稟議申請などのワークフロー業務の標準化)

これを、顧客と直接接する直接業務とそれ以外の間接業務に分類してみます。





さらに、直接業務で、自社が始動して動く活動(攻め)と、お客様からの始動で動く活動(守り)を分類してみます。





まずは、この位のチャンク(固まり)で、営業部門の活動を洗い出します。
そして、次に、②洗い出した業務プロセスのボトルネックを見える化して行きます。
その際に、もちろん名実ともに、ムダ、ムリ、ムラの発生しているプロセスについては、再設計が必要です。
もう一つ、ここで検討しておきたいことは、ムダ、ムリ、ムラといった認識がない、すなわちボトルネックと気づいてないプロセスが無いかどうかです。
気づいていないのですから、自ら指摘しようがないですね。
そこで、
まず、間接業務で、無くせる活動が無いか?
間接業務で、減らせる活動が無いか?
検討してみましょう。
意外にこれまで、何となく取り組んでいるから、以前からやっているからといった手段が、
目的化してしまっている場合もあります。
このあたりを、もう一度、何を実現するために取り組んでいるのか自問自答してみてください。
さらに、無くすことが出来ないなら、回数や時間を減らすことが、できないかを検討してみましょう。
この事例企業は、間接業務を43%削減して、直接業務に振り向けようと目標を立てました。





この時の、キーワードは、「間接業務は、無くす、減らす、で現状の半減!!」です。
間接業務を見直すなら「時間半減、作業量2倍と」大胆に行きましょう。
次回は、この間接業務をどう半減近くにしたのか、内訳をご紹介して行きます。