第2のSのシクミ2014年12月25日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

今こそ、業務改革!!
前回までは、「業務改革」遂行のため3つのSのうちの
第1のSである:戦略ストーリーについて解説してきました。

今回からは、第2のSである:シクミについて解説します。
第2のSである:シクミとは、一言で言うと「第1のSである:戦略ストーリーを、現場で徹底するための理想的な業務の手順」のことを言います。

この理想的な業務の手順(業務フロー)を、「社内プロセス」と言っています。



いきなり理想的な業務フローを洗い出せと言われても、簡単に理想的な業務フローが描ければ苦労しません。
もし、理想的な業務フローが描けていたとしても、現場では、描いたとおりになっていないのであれば、 その阻害要因を明確にして対処する必要があります。
もし、現在取り組んでいる業務フローがあるのであれば、
以下の順序で現状の業務手順を見直してみるところから始めてみましょう。

❖以下の観点で現在の業務プロセスをチェックしながら、理想的な業務フローを検討します。

①価値提供のための業務プロセスのムリ、ムダ、ムラの洗い出し
②現状の業務フローにおける間接業務でのムリ、ムダ、ムラが発生している部分の洗い出し
③現状の業務フローにおける直接業務でのムリ、ムダ、ムラが発生している部分の洗い出し
④ムリ、ムダ、ムラの発生している部分の原因究明
⑤理想的な業務フロー(社内プロセス)の構築

まずは、
①価値提供のための業務プロセスのムリ、ムダ、ムラの洗い出しを行います。
これは、マイケル・ポーターのValue Chain(価値連鎖)の中で、どの業務プロセスに問題があるかを指摘し、問題となっている部分の見直しを行うものです。


出所:「競争優位の戦略」M.E.ポーター著 ダイヤモンド社(1985)より編集


ポーターの価値連鎖を、今回の事例企業 の場合は、営業部門を中心とした価値連鎖を以下のように作成しました。
この営業部門の価値連鎖でのムリ、ムラ、ムダとなっている業務プロセスを指摘します。
ここでのポイントは、全くゼロベース、すなわち一から、業務プロセスを作り出すのではなく、現在ある業務プロセスの中で、特に問題となる業務プロセスにフォーカスして理想的な業務フローを見直そうというものです。


◆営業部門の価値連鎖



ちなみに、製造現場では、当たり前に使っている言葉ですが、業務プロセス見直しにおけるムリ、ムダ、ムラの定義を改めてしておきます。


ムリ(供給<需要)

 ・1人の営業マンが、1日に20件の既存顧客を訪問して、イベントフォロー時は、新規先(基本ノーアポ)に  何度か足を運ぶため、既存顧客を含め1日25件程度の 訪問となりパンク状態


ムダ(需要<供給)

 ・話を聞いてくれる新規訪問先や行き易い既存顧客に訪問が偏り、活動の割に成果に結びついていない状態


ムラ(ムリとムラが複合している状態)

 ・ある人はムリ、ある人はムダという状況にある
 ・ある期間はムリ、ある期間はムダという状況にある


この事例企業のムリのかかっている部分は、案件創出のための活動、そして、ムダな動きとなっているのも以下の案件創出のための活動であるという状態でした。
まず、問題の症状として現れている業務プロセスについて、メスを入れて行きます。
症状が出るということは、その原因が必ずあるということ。
問題を起こしている真の原因が、わからないと改善のための具体策の打ちようがないですよね。
そうです、可視化経営の基本である以下の図の①の症状を確認したのです。



さて今年は、この辺で終わりにします。
月2回のブログにお付き合い頂きましてありがとうございます。
来年もよろしくお願いします。