「業務改革」の起点2014年10月16日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

今回は、「業務改革」の起点を考えて見たいと思います。


前回から、「業務改革」についてお話をしています。
第一回目は、「いま、なぜ業務改革が必要なのか?」についてお話しました。
今回は、業務改革のスタートは、顧客価値を上げるためについてです。


❖業務改革とは、
これまで、一定の成果を出してきた自社の製品やサービス(顧客への価値提供)に対して、
今一度
①市場環境の変化に対応した戦略(基盤戦略)の見直し、
②この戦略を現場で徹底するための業務プロセスを具体化し、
③業務プロセスを効率良く行うための業務改善活動を行うことと定義したいと思います。


図にすると、
短期的戦略:基盤戦略の部分が、業務改革にあたります。
そして、業務改革と経営改革の違いは、業務改革は、部門中心の改革。
これに対して、全社的な取り組みを、経営改革と定義しておきたいと思います。
さらに、これまで可視化経営の7つのStephttp://www.ni-consul.co.jp/vms/vm.html)で、
日頃お話している将来ビジョンから逆算して落とし込む戦略=長期的戦略:成長戦略を経営変革と定義します。
業務改革と経営改革は、部門と全社。
改革と変革は、短期と長期という風に言葉を使い分けて行きたいと思います。



もう一つ、業務改革で重要なポイントがあります。
それは、顧客への提供価値を高めるための取り組み=顧客視点の業務改革でなければならないという点です。


顧客への提供価値=顧客価値とは、



※結果とは、
顧客ニーズの充足⇒その手段としての製品やサービスの提供
良くたとえ話に、お客様は、ドリルを買いたいのではなく。ドリルで開けられる「穴」を求めているということ。
要するに、顧客が求めている課題解決です。
※業務プロセスとは、
顧客に結果を提供するための売手側の業務プロセス(業務の手順)
この品質が、顧客価値を左右するのです。


分母を小さくする努力も必要ですが、1回目でお話したように、売価を構成する原材料や人件費の高騰で売価を下げることによる顧客価値向上は、限界です。
また、物流の整備によりAmazonやクロネコのように今日注文すれば、翌日配達されるようになり、入手コストに関しても価値の最大化が図られています。
要するに、分母を小さくして、顧客価値を高める戦略は、かなり限界に近づいているのではないでしょうか。
分母を小さくするのが限界なら、分子を大きくすれば顧客価値を上げることができます。

ということで、分母の第一項目である「結果」、この結果の手段である製品やサービスについて考えて見たいと思います。とにかく良い製品さえ出していれば、顧客価値を高められるというのであれば、話は簡単です。
しかし、こう簡単な話ではありません。
たとえば、シャープの液晶TV 一時期「亀山工場製」と、画面にシールが貼られて店頭に並んでいました。
製品では、群を抜いていたのでしょうが、今では首位の座をサムスン電子奪われました。



日本勢が、なぜ韓国勢に負けたのか?
分析は、本ブログの目的ではありませんので、
シャープ元幹部が実名で明かす 日本のテレビが韓国製に負けた「本当の理由」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33013)あたりのお任せするとして。


単に製品が良いだけでは、顧客に価値を提供できないと言うことではないでしょうか。
顧客のニーズが多様化し、そのニーズが高度化する中で、その顧客ニーズに、如何に素早く応えるか?
⇒結果提供のための売り手側の業務プロセスの良し悪しが問われていると言うことです。
逆に、良いものや良いサービスを提供していれば、顧客価値が維持されるということは、昔も今も変わらないのかもしれません。
しかし、その良いものという定義や基準が、変化しているということなのかもしれません。
この変化を捉えて、組織的に俊敏に対応していくこと(=業務プロセスの質的向上)であると言えます。


この顧客価値を向上させるための組織的な取り組みを、業務改革と定義したいと思います。