個別研修レポート(1)2013年12月26日

こんにちは、可視化経営エバンジェリストの本道です。

先週末に、ある地方の機械工具の専門商社(年商60億円、社員100名、創業40年)で、営業部門の基盤戦略の策定研修を行ってきました。
参加者は、営業部門長から課長クラス、営業の最前線に立つ主任以上で、総勢20名。
4チームに分かれて、グループ討議をしながら基盤戦略における具体策をスコアカードに落とし込みました。

今回の進め方は、前回ブログで説明した成長戦略策定の手順の一部で、将来ビジョン(今回の研修では、ビジョンを経営スローガンに置き換えた)からありたい姿への逆算によるアクション展開の手順と、基盤略策定手順の一部で、現状抱えている問題に対して取り組むべき優先順位を明確にして戦略をスコアカードに展開する手順で討議を進めて行きました。

この会社は、これまでの御用聞き営業からの脱皮を標榜し、一昨年前から「モノづくりソリューションカンパニーとして、お客様に価値を提供しよう。」という経営スローガンを掲げています。
しかし現実は、新規顧客への初回訪問前の準備一つとっても、
①仕入れ先、メーカーとして紹介してもらえる人脈があるか?
②何を取り作っているメーカーなのか?
③自社取扱いの商品の何をどれだけ売れるのか? などと、
ソリューションカンパニーというスローガンの割には、営業スタイルが、これまでの物売りスタイルから脱し切れず、スローガンが営業マンの日々具体的な活動に落とし込まれてないというのが第一印象でした。

そこで、まず自分たちが考える経営スローガンの組織的な共有と各人の経営スローガンに対する理解度を確認するためにも、各人の考える「ありたい姿(状態・存在)」を、カードBS法で洗い出してもらいました。
その結果、ソリューションカンパニーとは、「顧客のビジネス上の課題に対して、ベストな解決策を、自社の総力をあげてスピーディに提供し、顧客ロイヤルティを長期にわたり維持すること。」と一言集約し、「経営スローガンのありたい姿」として定義しました。

そこで、以下の通り。
いつものロジックご開帳です。


定義したスローガンのありたい姿を実現するために、日々の営業活動で取り組まなければならないことを、これもありたい姿を洗い出した時と同様に、カードBS法で洗い出しました。

なすべき事を、時間軸に並べてフェーズ分けすると、以下の4つのフェーズからなり(※営業活動をフェーズわけしているから、何もソリューション営業だから、このフェーズになるという訳ではありませんので、誤解のないように…。)


Ⅰ.引合い創出フェーズ(ターゲット顧客へのアウトバウンドによる活動から引合い創出まで)
Ⅱ.引合い対応フェーズ(具体的な引合い発生から受注まで)
Ⅲ.受注後対応フェーズ(受注から納品完了まで)
Ⅳ.日常対応フェーズ(ターゲット顧客からの日常的なインバウンドな対応)

この中で、特に新規顧客における引合い創出までの活動であるⅠ.引合い創出フェーズにおいて、上手く行っていないという声が大方の意見でした。


次回は、スコア カードの作成手順を解説しながら内容を確認していきたいと思います。