営業戦略を具体化しよう~戦略策定のための心構え~②2013年10月03日

こんにちは、可視化経営エバンジェリストの本道です。

営業戦略を具体化するための手順を、連載でご紹介しています。
前回までは、戦略マップ作成のポイントについて説明しました。

今回からは、戦略マップを現場の活動に落とし込むための方法について解説していきます。

戦略マップは、戦略における何を(What)の部分の具体化で、4つの視点で描く成功の方程式であるという話をしました。そして、この戦略マップの具体化=どのようにして(How)日々取り組むのかの部分は、スコアカードという表が受け持ちます。

スコアカードの作成のポイントは、KGIとKPIの因果関係をいかに構築するかです。
KGIとは、Key Goal Indicatorの略 すなわち、主要なゴール指標です。
また、KPIとは、Key Performance Indicatorの略 すなわち、主要な活動指標です。

そして、このKPIとKGI作成のお約束は、3つ。
① 因果関係にあること
② 数値化されていること
③ 活動指標は、日課であること

この3つのポイントを外さなければ、スコアカードが完成したのも同然です。

①KGIとKPIが因果関係にあるとは、日々のKPIの積み重ねが、KGIである結果を招くという強い関係性が必要です。逆に、結果であるKGIが達成しなかった主な原因は、予め決めたKPIをきっちりと実行しなかったからである。このKPIの取り組み如何が、結果であるKGIの達成度合いに大きく影響すると言い切れるほどの関係性が必要です。

因果関係のたとえに、江戸時代の『風が吹けば桶屋が儲かる』という話があります。
一般的には、以下のような因果、すなわち風が原因で、桶屋が儲かるという結果が導かれるという話です。
これって、本当に因果関係ありと、言えるでしょうか?
何という本だか忘れましたが、以下のような確率でそれぞれの事象が起こると仮定すると、風が吹いて桶屋が儲かるのは、何と1億分の1の確率になります。



これでは、いくらなんでも因果関係がるというよりも、ただの屁理屈としか言いようありません。
過去の経験から因果関係を定義するのであれば、高い確率でKPIとKGIの因果関係を設定することが出来ます。しかし、新たな取り組みに対する結果と、その結果をもたらす活動指標は、風が吹けば桶屋が儲かるほどの極端な確率にはならないにせよ、これまでの常識といわれてきた因果関係よりも確率が低いものになるかもしれないという要素をはらんでいます。
だからこそ、KPIとKGIの関係性を仮説として設定して、その関係性が当たっているかどうかを、検証することが、これからの不確実な時代の戦略実行における中核となってくるのです。

そして、そのKPIとKGIの関係性を仮説として、その仮説が当たっているかどうかを検証するためには、KPIとKGI夫々の目標を数値化して、客観的に測定できるようにする必要があります。⇒②KPIとKGIが数値化されていること

さらに、KGIは、結果指標ですから戦略マップの各視点の課題が、達成したかどうかの『状態』をあらわす定量的な指標である必要があります。
あくまでもKGIは、『状態』を、数量的に表してください。ここで、活動指標のような指標は、ご法度です。
そしてKPIは、KGIの状態になるための『活動』を定量的に表します。
そして、なるべくKPIは、日課として取り組める活動指標にしましょう。
KPIは、活動指標=毎日取り組む日課指標として設定したいものです。

これで、スコアカード作成のためのポイントを理解いただきました。
次回は、財務の視点からスコアカードを作成して行きましょう。