営業戦略を具体化しよう~顧客の視点の絞り込み~2013年05月29日

前回から営業の戦略立案をスパッと作成するための手順を、ご紹介しています。
この内容は、『可視化経営入門研修』の内容の抜粋です。



前回は、以下のシートを使ってターゲット顧客のニーズの洗い出しを行いました。



まずは、質よりも量です。顧客ニーズをドンドン書き出しましょう。

いかがですか、2回の個人ワークで、20枚程度のターゲット顧客のニーズが洗い出せましたか?
ここで顧客ニーズの洗い出しが20枚を超えないということは、日ごろ顧客からニーズを聴こうという姿勢が出来てないということになりませんか?
奇しくもそれを自ら暴露した格好になりますから、気合を入れて洗い出しましょう。

次に、顧客ニーズを分類します。
個人ワークで洗い出した顧客ニーズを、グループで『顧客ニーズ分類シート』の分類項目に従って整理します。
ちなみに、以下のような分類をあらかじめ作ってみました。

分類1:当社の業務プロセス、業務品質やしくみについて
分類2:提供価格について
分類3:ターゲット顧客と当社の人的関係・対応力について
分類4:流通チャネル・立地などアクセスについて
分類5:顧客にとって有効な情報提供について
分類6:製品や提供するサービスの品質・機能・性能について
分類7:分類1~分類6のいずれにも属さないポストイット群で、分類名を設定します。
分類8:どの分類にも属さない単独のポストイットで、分類名を『その他』とします。

いかがでしょうか、あらかじめ設定した分類名にこだわることはありません。
まずは、類似のカードをグルーピングすることが出来ればOKです。


内容の似たポストイットは、ポストイット自体を重ねておきましょう。
ポストイットの内容をグループで吟味(質的チェック)して、洗い出した顧客ニーズの修正、追加、削除を行います。
分類1~分類6で、ポストイットが1枚も無かった分類について、該当する分類の切り口で本当に顧客ニーズが無いかどうかを再確認しておきましょう。
うっかり、漏らしているかもしれませんから・・・。

いかがですか?
うまく分類できましたか?
もし、分類した内訳が、5枚以上になったのであれば、洗い出した内容に比べて分類名の該当する範囲が大きすぎるかもしれません。
洗い出した内容をさらに細分化(二分割)して、分類名を付け直しましょう。

ほどよく分類できたら、顧客ニーズの優先順位づけを行います。

① 自社として戦略的に取り組むべき顧客ニーズの優先順位を決定します。
②『顧客ニーズ分類シート』で、黄色のポストイットが一枚も無い場合は、ピンクのポストイット(分類1~分類8)を除外します。
③残った分類1~分類8のピンクのポストイットいずれか1枚を『顧客ニーズ優先順位づけシート』の中央(重要度と緊急度の線が交差したところ)に貼ります。
④既に貼ってある分類1~分類8のピンクのポストイットを、自社としての重要度と緊急度の2つの判断軸で相対的に優先順位をつけます。
※自社としての重要度(例):実現可能性、効果、労力、他への影響度、収益性、コストなど
自社としての緊急度(大)・・・即時実施、中心点・・・1年以内に実施、緊急度(小)・・・3年以内に実施など
⑤相対的に優先順位の高い分類やその分類に属する顧客ニーズを、顧客の視点の課題とします。