経営の見える化の展開・運用フェーズでのポイント ~可視化経営の指標を目標管理制度として利用する~2012年04月24日

こんにちは、可視化経営エバンジェリストの本道です。

❖可視化経営と人事評価制度を連携について

可視化経営のタテの展開やヨコの展開が進み、可視化経営の取り組みが全社的に浸透し定着したら、可視化経営の財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、人材と変革の視点の各視点のゴール指標や日課指標に対する達成度を人事評価制度の目標管理と連携させることを検討します。

可視化経営の各指標の達成度を人事評価制度に取り込むことで、以下のようなメリットが生まれます。

① 個々人の日々の活動が、会社の将来ビジョンや戦略に結びついていることの理解が進みます。
② 成果をもたらすための個々人の日々の活動が重要であるということの理解が進みます。
③ その活動の評価を可視化経営のゴール指標や日課指標という数値指標で評価するため評価の透明性が増します。
④ 会社のビジョン、戦略と評価制度を一気通貫させることにより社員にわかりやすい経営が実現します。


❖現在運用中の目標管理制度と可視化経営のゴール指標や日課指標を連携させるためのポイントについて

すでに自社内で目標管理制度を運用している場合には、可視化経営の達成度の評価と重複して運用しないように調整が必要です。

① 目標管理制度との緩やかな連携⇒連携
② 目標管理制度から可視化経営への完全切り替え⇒移行

また、目標管理制度を運用していない場合は、評価制度を見直す良い機会ととらえて、可視化経営の達成度を人事評価制度に取り組むことを検討してみましょう。

目標管理制度との連携タイミングは、全社的に可視化経営の運用が定着してから始めるようにしてください。各指標を測定する仕組みが未熟な段階で報酬制度を連携すると、報酬のための実績値収集が主眼となってしまい、可視化経営の本来の目的である将来ビジョンに向けた戦略的取り組みがおざなりになってしまいます。

また、戦術マップの4つの視点の評価ウェイトをどう定義するのか、スコアカードのゴール指標と日課指標の評価ウェイトをどう定義するのかなど、ルールを明確にして納得感の高い評価制度を策定しないと、単に指標を達成することが目的となり、往々にして達成しやすい日課指標、評価しやすいゴール指標という、本末転倒な状況をもたらしかねませんので注意が必要です。