アフターコロナでの組織的な取り組みの見直し 2020年5月29日

こんにちは、可視化経営のエバンジェリスト本道です。

4月、5月とコロナの猛威の中、外出制限による在宅勤務で営業活動スタイルも一変しました。そんな中で、各社様の営業部門の戦略マップも見直しする必要が出てきています。
市場環境の環境の変化に対して、素早く戦略の取り組みを見直して、可視化できる点も戦略マップの利点です。

今回は、あるパッケージシステム会社Aの新規顧客開拓における営業部門のマップを例に、アフターコロナでの組織的な取り組みの見直しについて考えてみたいと思います。

2020年度1月(期首)での戦略マップは、以下のとおりでした。
(1)新規顧客をイベントから毎月5社受注するための戦略ストーリーは、
①今期は、各種イベントをセミナーおよび個展に絞る
②月3回のイベントで、100社(130名)の新規顧客を集客する
③100社に対してフォローによる個別面談40社(面談率40%)とする
④個別面談40社に対して案件化20社(案件化率50%)とする
⑤案件化した20社に対して受注5社(受注率25%)を目標とする
※面談率、案件化率、受注率は、いずれも過去実績から算出

(2)この戦略ストーリーを組織的に実施するために必要な仕組みは、営業活動における価値連鎖(SVL:Sales Value Chain)の特に、Ⅴ.各種イベントプロセス→Ⅰ.案件創出プロセス、→Ⅱ.案件対応プロセスです。



Ⅰ.案件創出プロセス
 (ターゲット先との関係構築から具体的な案件発生まで)

Ⅱ.案件対応プロセス
 (ターゲット先との具体的な案件発生から受注まで)

Ⅲ.アフターフォロープロセス
 (ターゲット先への製品やサービスの受注から納入、設置、運用、定着まで)
Ⅳ.情報提供プロセス
 (ターゲット先への定期的な訪問による情報提供と情報収集)
Ⅴ.各種イベントプロセス
 (ターゲット顧客との出合い創出、案件創出、受注促進のための各種イベント対応)

Ⅵ.日常対応プロセス
 (ターゲット顧客からの各種問合せやクレームの対応)
Ⅶ.マネジメントプロセス
 (担当者のセルフマネジメントや上司によるマネジャーのチェックポイントの標準化)
Ⅷ.部門間コミュニケーション
 (他部門間とのコミュニケーションの標準化)
Ⅸ.ビジネスパートナーとのコミュニケーション
 (社外の協力会社とのコミュニケーションの標準化)
Ⅹ.ワークフロー業務の標準化と効率化
 (承認を伴う依頼・稟議申請などのワークフロー業務の標準化)

これを戦略マップに表すと、以下の様になります。



※今回は、新規顧客と出合うためのプロセスである、Ⅳ.各種イベントプロセスを中心に考えてみます。

Ⅴ.各種イベントプロセスの具体的な手順は、以下の通りです。

Ⅴ.各種イベントプロセス(営業部門として標準化した手順)
①イベント(セミナー&個展)企画ネタの収集
②ネタ蓄積
③ネタ共有
④イベント企画MTG
・蓄積したネタの共有
・これまでのセミナーのアンケート情報
・イベント評価レポートの情報
⑤イベント企画骨子決定
⑥イベント企画責任者アサイン
⑦責任者によるイベント企画書作成
⑧イベント企画の承認
⑨イベント企画段取り
⑩イベント企画のチーム内周知
⑪イベント集客活動
⑫イベント集客管理
⑬イベント集客活動テコ入れ
⑭イベント準備
⑮イベント開催
⑯アンケート回収(セミナーの場合)
→Ⅰ.案件創出プロセスへ

この戦略マップと手順を、NIVMSの仕掛けで可視化しながら、今年の1月から3月上旬まで進めていました。


ところ(・・・)が、コロナ‼
で、3月中旬からイベントによる新規顧客開拓の戦略シナリオの変更を、余儀なくされました・・・

まず、(1)新規顧客をイベントから毎月5社受注するためのシナリオの見直しです。
①これからの各種イベントをWEBセミナーに絞る
  ↑ここ変更、3密で集合セミナーや個展は、アウト
②月3回のWEBセミナーで、400社(500名)の新規顧客のWEBセミナー参加を想定
  ↑ここも変更

③400社に対してフォローによるWEB個別面談80社(面談率20%
④個別面談80社に対して案件化20社(案件化率25%
⑤案件化した20社に対して受注5社(受注率25%
※③~⑤に関しては、仮説です。
未だWEBセミナーを実施したことがないので、手探りです。
較べていただくとわかると思いますが、
現段階では、リアルセミナーとWEBセミナーの集客方法や集客のための容易さも違うように思います。WEBセミナーは、気軽のセミナー受講できるため、メールによる案内だけで、多くの集客が見込めています。一方で、セミナー受講後の個別面談率や案件化率は、これまでのリアル面談よりも低くなる傾向にありそうです。
※WEBセミナーへの参加者の問題意識や真剣度が、セミナーに気軽に参加できるためリアルセミナーへわざわざ足を運んで下さる方々より低いのかもしれません。また、セミナーを実施するこちら側も、WEBセミナーでの経験が浅いためリアルセミナーほど上手く訴求できてないのかもしれません。この辺りは、これから工夫し改善して行く必要がありそうです。
そこで、コロナ下で見直した戦略マップは、次の通りです。
※コロナ対策版のWEBセミナーによる新規顧客開拓マップ



コロナ前とコロナ下での違い分かりますか?
もちろん財務の視点のKGIは、変えていません。(変えちゃまずいです)
(1)顧客の視点におけるイベントの集客方法の変化
(2)顧客の視点の集客⇒個別面談⇒案件化⇒受注のKPIとKGIの変化(それぞれの確率が変わりましたので)
(3)業務プロセスの視点のⅤ.各種イベントプロセスの手順そのものは、変わっていませんが、リアルセミナーと個展からWEBセミナーに変化しました。

Ⅴ.各種イベントプロセスの手順
①WEBセミナー企画内容のネタ収集
②ネタ蓄積
③ネタ共有
④WEBセミナー企画MTG
・蓄積したネタの共有
・これまでのWEBセミナーのアンケート情報
・WEBセミナー評価レポートの情報
⑤WEBセミナー企画骨子決定
⑥WEBセミナー企画責任者アサイン
⑦責任者によるWEBセミナー企画書作成
⑧WEBセミナー企画の承認
⑨WEBセミナー企画段取り
⑩WEBセミナー企画のチーム内周知
⑪WEBセミナー集客活動
⑫WEBセミナー集客管理
⑬WEBセミナー集客活動テコ入れ
⑭WEBセミナー準備
⑮WEBセミナー開催
⑯WEBセミナーアンケート回収
→Ⅰ.案件創出プロセスへ
(4)人材と変革の視点のKPIとKGIの指標が、これまでのイベントからWEBセミナーに絞られた。

このようにして、市場環境の変化に対応した戦略マップに書き換えました。
特に、WEBセミナー参加者へのフォローによる個別面談率、案件化率や受注率は、これまで経験のない取り組みなので、あくまで仮説です。しかし、その仮説を可視化することで、この組織的な取り組みである戦略マップのKPIやKGI(財務の視点以外のKGI)を、より精度の高い目標値にして行くことも、戦略マップの良いところです。
可視化経営のフレームを活用して、コロナという試練に対して営業体制を素早く見直していただければ幸いです。


著作紹介

  • 「可視化」、あるいは「見える化」というキーワードが取りざたされている昨今ですが、一般的には、製造現場でのヌケ・モレ防止策であったり、データをただ単にグラフ化し、わかりやすく …

    可視化経営

  • 可視化経営を実践するためには、経営理念、事業ドメイン、ビジョン構築、戦略の導出とその具体化、評価のためのIT活用など幅広いテーマの取り組み …

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